12月4日(金)に発売された「ダ・ヴィンチ」(2021年1月号)の特集「BOOK OF THE YEAR 2020」で、小説ランキングのトップ50が発表された。
第1位に選ばれたのは、小野不由美さんの『白銀の墟 玄の月』(新潮社)。本作は1991年刊行の『魔性の子』に始まる「十二国記」シリーズ18年ぶりの長編で、第1巻から4巻まで刊行されている。昨年は検索数が最も急上昇した作品として、「Yahoo!検索大賞2019」の小説部門を受賞。異世界を舞台に繰り広げられる深遠な人間ドラマと緻密に構成された世界観が多くの読者を魅了した。
そのほか、小説ランキングの2位に伊坂幸太郎さんの『逆ソクラテス』(集英社)、3位に東野圭吾さんの『クスノキの番人』(実業之日本社)がランクイン。他に、今年直木賞を受賞した馳星周さんの『少年と犬』(文藝春秋)、第11回山田風太郎賞を受賞している今村翔吾さんの『じんかん』(講談社)、2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうさんの『流浪の月』(東京創元社)、中国でベストセラーとなり、SFの文学賞「ヒューゴー賞」に輝いた劉慈欣さんの『三体』(早川書房)の続編などがランクインしている。
文庫部門では、伊坂幸太郎作品が1位、2位を独占。首位に輝いたのは『AX』(KADOKAWA)、続く2位は『ホワイトラビット』(新潮社)となった。3位には宮部みゆきさんの『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』(KADOKAWA)がランクインしている。
コミック部門では、世代を超えてブームを巻き起こした『鬼滅の刃』がトップに。単行本の累計発行部数は1億部を記録。さらに今年公開された「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」は、公開から45日間で興行収入275億円を突破し、映画「タイタニック」の262億円を超え日本歴代興収2位となった。続いて2位は実写ドラマがヒットした『きのう何食べた?』、3位にスパイ、暗殺者、超能力者の疑似家族を描いた『SPY×FAMILY』となった。
また、同誌には小野不由美さんや町田そのこさん、今村翔吾さん、凪良ゆうさんなどの受賞インタビューが掲載。書店員が選ぶカテゴリ別おすすめ本やデザイナーが選ぶ今年のグッド・ルッキング本も発表している。
「ダ・ヴィンチ」の「BOOK OF THE YEAR」特集は今年で21回目。ランキングは、2019年10月1日から2020年9月30日までに刊行された作品を対象に、「小説」「コミック」「文庫」「エッセイ・ノンフィクション」と、それ以外のジャンルを「その他」とし5部門による投票を集計し決定している。
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