【話題の本】『さいえんす川柳 「研究者あるある」傑作選』川柳 in the ラボ編

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 ■シリーズ読者騒然の異色企画

 「あのブルーバックスが!?と腰を抜かしそうになった」。講談社が昭和38年に発刊、現在2156冊にのぼる科学系新書シリーズ本来のテーストとはかなり異なる本書に、愛読者や書店員たちは騒然となったという。

 医療機器メーカーが開催し、大学や企業の理系研究者が参加したイベント「川柳 in the ラボ」の投稿作品から厳選した170句を収録。〈細胞と 話し始める 深夜帯〉〈気になるの インスタ映えより ショウジョウバエ〉〈手が震え 落としたサンプル 100万円〉〈基礎研究 「役に立つの?」は 禁句です〉〈教授から 頼まれ答えは イエスかハイ〉…。

 ラボ(研究室)を中心とする研究者の日常、喜怒哀楽を詠んだ作品の数々。イラスト、解説も丁寧で専門知識がない人も楽しめる。9月の刊行を記念して実施した「理系あるある川柳」コンテストにも約3000句が寄せられ、盛り上がっている。

 「がんばっている研究者を応援したい、科学のおもしろさを伝えたいという気持ちを込めて作りました」と編集担当の家田有美子さん。異色作だが、意外や「科学的に物を見る目」の涵養(かんよう)を目標としたシリーズの精神にも通じるか。(ブルーバックス・900円+税)

 三保谷浩輝

産経新聞
2020年12月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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