『国際文化交流を実践する』国際交流基金編
[レビュアー] 産経新聞社
自国の存在感やイメージを高めるため、文化交流や広報によって外国の市民に直接働きかける外交をパブリック・ディプロマシーという。軍事や経済といったハード・パワーだけでなく、文化のソフト・パワーが重視される中、日本で唯一、公的機関として国際文化交流を行っているのが独立行政法人、国際交流基金(JF)だ。
本書は、世界各地の文化交流最前線で働くJFの若手中堅職員らによる実践ルポ集。大型文化イベントを企画したり、日本語の裾野を広げたりと、活動は多岐にわたる。交流とは、人と人の心をつなぐ不断の努力で続くものだとわかる。(白水社・2100円+税)