【直木賞ノミネート】加藤シゲアキ『オルタネート』で描かれた「哀しさのつきまとう思春期」の裏にあるものとは

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 12月22日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』が獲得した。
 第2位は『オルタネート』。第3位は『このミステリーがすごい! 2021年版』となった。

 2位の『オルタネート』は第164回直木賞の候補作に選出された加藤シゲアキさんによる青春小説。加藤さんはアイドルグループNEWSのメンバーでありながら8年以上も小説を書き続け、同作発表時には掲載された小説誌「小説新潮」が売り切れるなど大きな話題となっていた。同作は遺伝子レベルでの相性診断が行われるマッチングアプリを軸に、架空の現代を生きる高校生3人それぞれの出会いと別れ、葛藤と苦悩が描かれた青春群像劇となっている。現在発行部数9万部。

 作家の霜田明寛さんは同作の書評で今作は《完全な職業作家の作り方》によって執筆されたと分析。また加藤さんが描く青春には《哀しさがつきまとう》と述べ、それはジャニーズ事務所での経験によるものだろうと推測している。さらに加藤さんは《自分の存在理由を探して、文章を書き続けているのではないだろうか》と述べ、《加藤シゲアキは、アイドルに生まれ、職業作家になった“努力の人”なのだ》と結んでいる。

アイドルを越境して書き続ける 顔ではない存在理由を探して

1位『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』東野圭吾[著](光文社)

殆どの人が訪れたことのない平凡で小さな町。寂れた観光地。ようやく射した希望の光をコロナが奪い、さらに殺人事件が……。(光文社ウェブサイトより)

2位『オルタネート』加藤シゲアキ[著](新潮社)

高校生限定のマッチングアプリが必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、3人の若者の運命が、鮮やかに加速していく――。恋とは、友情とは、家族とは、人と”繋がる”とは何か。悩み、傷つきながら、〈私たち〉が「世界との距離をつかむまで」を端正かつエモーショナルに描く。著者3年ぶり、渾身の新作長編。(新潮社ウェブサイトより)

3位『このミステリーがすごい! 2021年版』『このミステリーがすごい!』編集部[編](宝島社)

読書のプロが選ぶ2020年 傑作ベスト20(宝島社ウェブサイトより抜粋)

4位『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す(4)』十夜[著]chibi[イラスト](アース・スターエンターテイメント)

5位『何がおかしい 新装版』佐藤愛子[著](中央公論新社)

6位『今度生まれたら』内館牧子[著](講談社)

7位『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第五部 女神の化身(4)』香月美夜[著]椎名優[イラスト](TOブックス)

8位『自転しながら公転する』山本文緒[著](新潮社)

9位『生活魔術師達、魔女の森に挑む』丘野境界[著]東西[イラスト](宝島社)

10位『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』辻真先[著](東京創元社)

〈文芸書ランキング 12月22日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2020年12月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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