第24回司馬遼太郎賞が決定 佐藤賢一『ナポレオン』が受賞

文学賞・賞

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 第24回司馬遼太郎賞が27日に発表され、佐藤賢一さんの『ナポレオン(全3巻)』(集英社)に決まった。

 受賞作『ナポレオン』は、コルシカ島の小貴族の次男として生まれ、一代でフランス皇帝に上り詰めたナポレオンの生涯を描いた長編小説。フランス革命の本質と当時のヨーロッパの状況に加え、軍人として頭角を現したナポレオンが皇帝となるまで描いた圧倒的な構成力が評価された。

 著者の佐藤賢一さんは、1968年山形県生まれ。1993年に『ジャガーになつた男』で第6回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。1999年に『王妃の離婚』で第121回直木賞を受賞。2014年には『小説フランス革命』(単行本全12巻)で、第68回毎日出版文化賞特別賞を受賞している。著書に小説に『ラ・ミッション 軍事顧問ブリュネ』『ハンニバル戦争』『遺訓』など、新書に『英仏百年戦争』『テンプル騎士団』『フランス王朝史』(全3巻)などがある。

 贈賞式は、来年2月13日、大阪市中央区のNHK大阪ホールで開かれる「第25回菜の花忌」に合わせて行われる。

「司馬遼太郎賞」は、司馬遼太郎記念財団が主催する文芸・学芸・ジャーナリズムを対象とした賞。創造性にあふれ、さらなる活躍を予感させる作品に与えられる。第23回の選考は、安部龍太郎さん、井上章一さん、後藤正治さん、辻原登さん、柳田邦男さんの5氏が務めた。

 昨年は、5・15事件で凶弾に斃れた男・犬養木堂の生涯を描いた林新さんと堀川惠子さんによる評伝『狼の義 新 犬養木堂伝』(KADOKAWA)が受賞している。過去には北方謙三さんの『水滸伝』(第9回)、原武史さんの『昭和天皇』(第12回)、葉室麟さんの『鬼神の如く 黒田叛臣伝』(第20回)などが受賞している。

Book Bang編集部
2020年11月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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