「本の雑誌が選ぶ2020年度ベスト10」が、「本の雑誌」(2021年1月特大号)にて発表された。
第1位に選ばれたのは村山由佳さんの『風よ あらしよ』。本作はドラマティックな人生を駆け抜けたアナキスト・伊藤野枝を描いた著者初の評伝小説。家父長制下における結婚制度や良妻賢母思想に反発し、アナキストの大杉栄と共に憲兵隊に殺された野枝の生涯を村山さんはどんなふうに捉えたのか?
著者の村山さんは1993年に作家デビュー。『おいしいコーヒーのいれ方』が人気を呼びシリーズ化されており、2003年には『星々の舟』で直木賞を受賞している。同誌で1位になった『風よ あらしよ』については、読書情報誌「青春と読書」(2010年10月号)のインタビューにて「心理描写すればするほど、自己弁護めいたものが挟まってきて、アンビレンツな気持ちにもなりました」「野枝の書くものや資料を読む中で、あるときぐっと彼女が近く思えたことがあったんです」「一時期『青鞜』の表紙絵を描いていた(尾竹)紅吉とのエピソード。これは捨てられませんでした」など執筆の過程を明かしている。
( https://www.bookbang.jp/review/article/640002 )
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- 風よあらしよ
- 価格:2,200円(税込)
また、ベスト10には金原ひとみ『パリの砂漠、東京の蜃気楼』や朝井まかて『類』、蝉谷めぐ実『化け者心中』などがランクインしている。
そのほか、「本の雑誌 2021年1月特大号」では、本の雑誌が選んだ2020年度ノンジャンルのベスト10以外に、鏡明のSFベスト10、池上冬樹のミステリーベスト10、佐久間文子の現代文学ベスト10、栗下直也のノンフィクションベスト10、縄田一男の時代小説ベスト10、そして北上次郎のエンターテインメントベスト10を発表しているほか、作家、評論家、翻訳家など総勢32名が選ぶ「私のベスト3」や読者が選んだベスト1も掲載されている。
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