【産経の本】『20世紀の世界航空戦史 第1次世界大戦から湾岸戦争まで』

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■大空の激闘捉えた100年史

 2度の世界大戦をはじめ多くの戦争を生んだ20世紀、戦いの帰趨(きすう)を決したのは航空戦だった。本書は「制空権」をめぐる争いを主導した戦闘機隊を中心に世界三十数カ国の空軍の戦いぶりをまとめた決定版である。

 最も紙面を割いた米国の章では、第二次大戦時に長大な航続力で独軍を圧倒した戦闘機P51ムスタングなどの主要機種や、撃墜成果を詳述。日本本土に向け出撃直前のドーリットル爆撃隊員らの写真などが並ぶ。中国の章では、朝鮮戦争の北朝鮮支援で参戦した、発足間もない中国軍の様子も。

 本書は昭和62年に刊行された『第2次大戦 世界の戦闘機隊』(酣燈社)の執筆陣(秦郁彦・田村俊夫・中山雅洋・伊沢保穂・由佐勝)が再結集。第二次大戦だけだった対象時期を、第一次大戦から湾岸戦争まで広げた。さらに対象機種・部隊は戦闘機を主軸に爆撃機や海軍航空隊も含めている。

 400ページ超で写真・図版も500点を超す大著。大国から東欧・北欧や中東・アジアの中小国まで網羅し、各国のエース列伝も収録。航空戦史のあらゆる要素が凝縮された貴重な一冊といえる。(秦郁彦編/潮書房光人新社・3900円+税)

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