芥川賞受賞『推し、燃ゆ』 ベストセラー1位に 「一番新しくて古典的な、青春の物語」

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 1月26日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『推し、燃ゆ』が獲得した。
 第2位は『元彼の遺言状』。第3位は『オルタネート』となった。

 1位の『推し、燃ゆ』は第164回芥川賞を受賞した作品。不器用で生きづらさを抱える少女が命がけで「推し」のアイドルを推し、「解釈」し続ける姿を描く。主人公は「人生の背骨」とまで言う「推し」が炎上し、自身の生活環境が変わることで、さらに「推す」ことへの陶酔が強まってゆく。メディアの中の「推し」と「推す」ためだけに生きる自分だけが存在する孤独な生活の行く末は――。

 早稲田大学教授の尾崎真理子さんは《新しい語り口の小説》と小説全体を貫く表現方法に注目しながら、《これは季節も周囲もまともに見なかった多感なメディア少女が、目の前の風景を発見するに至る、一番新しくて古典的な、青春の物語だ。》と評している。

推し、燃ゆ 宇佐見りん著 河出書房新社

1位『推し、燃ゆ』宇佐見りん[著](河出書房新社)

逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を”解釈”することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し――。デビュー作『かか』が第33回三島賞受賞。21歳、圧巻の第二作。(河出書房新社ウェブサイトより)

2位『元彼の遺言状』新川帆立[著](宝島社)

亡くなった元彼は誰かに殺された!? 犯人だけがその財産を譲り受けられるという奇妙な遺言を受け、 女性弁護士が依頼人と共謀して分け前を狙う破格の遺産相続ミステリー!(宝島社ウェブサイトより)

3位『オルタネート』加藤シゲアキ[著](新潮社)

高校生限定のマッチングアプリが必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、3人の若者の運命が、鮮やかに加速していく――。恋とは、友情とは、家族とは、人と”繋がる”とは何か。悩み、傷つきながら、〈私たち〉が「世界との距離をつかむまで」を端正かつエモーショナルに描く。著者3年ぶり、渾身の新作長編。(新潮社ウェブサイトより)

4位『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』東野圭吾[著](光文社)

5位『野良犬の値段』百田尚樹[著](幻冬舎)

6位『何がおかしい 新装版』佐藤愛子[著](中央公論新社)

7位『心淋し川』西條奈加[著](集英社)

8位『ダーリンの進化論 わが家の仁義ある戦い』高嶋ちさ子[著](小学館)

9位『白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます(4)』やしろ[著]keepout[イラスト](TOブックス)

10位『追い出された万能職に新しい人生が始まりました(4)』東堂大稀[著]らむ屋[イラスト](アルファポリス 発行/星雲社 発売)

〈文芸書ランキング 1月26日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2021年1月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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