島本理生の直木賞受賞作 文庫化で再注目 「謎が解ければいいってことではない」

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 2月2日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文庫第1位は『薬屋のひとりごと(10)』が獲得した。
 第2位は『JR上野駅公園口』。第3位は『ブロードキャスト』となった。

 4位以下で注目は8位にランクインした『ファーストラヴ』。2018年に第159回直木賞を受賞した島本理生さんの作品。父親を刺殺したとして逮捕された女子大生をめぐる心理ミステリー。臨床心理士の主人公が、逮捕された女子大生のノンフィクションを書くために当人や周囲の人々の話を聞くなかで、事件の裏に隠された複雑な親子関係が浮かび上がる。

 著者の島本理生さんは2018年に出演した読書バラエティ番組「ゴロウ・デラックス」で同作について、ミステリの形式をとってはいるものの、主人公が殺人を犯した女子大生に語りかけ、カウンセリングをしていくなかで、「段階を踏んで環菜(女子大生)の心を開く。それによって彼女が自分の過去を整理したり自覚して、本当の自分を取りますところが一番大事。謎が解ければいいってことではない」と解説している。
https://www.bookbang.jp/article/557032

1位『薬屋のひとりごと(10)』日向夏[著]しのとうこ[イラスト](主婦の友インフォス)

シリーズ累計1200万部突破!妖怪!蝗害!災害!西都に呼ばれた謎!最新10巻はドキドキとワクワクの波状攻撃が止まらない!(主婦の友インフォスウェブサイトより)

2位『JR上野駅公園口』柳美里[著](河出書房新社)

一九三三年、私は「天皇」と同じ日に生まれた――東京オリンピックの前年、出稼ぎのため上野駅に降り立った男の壮絶な生涯を通じ描かれる、日本の光と闇……居場所を失くしたすべての人へ贈る物語。(河出書房新社ウェブサイトより)

3位『ブロードキャスト』湊かなえ[著](KADOKAWA)

湊かなえが描く、青春小説の新境地!! 中学時代、駅伝で全国大会を目指していた圭祐は、あと少しのところで出場を逃した。高校入学後、とある理由によって競技人生を断念した圭祐は、放送部に入部。新たな居場所で再び全国を目指すことになる。(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『麦本三歩の好きなもの 第一集』住野よる[著](幻冬舎)

5位『時効の果て 警視庁追跡捜査係』堂場瞬一[著](角川春樹事務所)

6位『惣目付臨検仕る 抵抗』上田秀人[著](光文社)

7位『おもかげ』浅田次郎[著](講談社)

8位『ファーストラヴ』島本理生[著](文藝春秋)

9位『幼なじみ 新・居眠り磐音』佐伯泰英[著](文藝春秋)

10位『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ[著](文藝春秋)

〈文庫ランキング 2月2日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2021年2月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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