第36回坪田譲治文学賞が発表 岩瀬成子『もうひとつの曲がり角』に決定

文学賞・賞

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

 第36回坪田譲治文学賞が26日に発表され、児童文学作家の岩瀬成子さんの『もうひとつの曲がり角』(講談社)に決定した。

 受賞作の『もうひとつの曲がり角』は、市の東側から西側へ引っ越した小学5年のわたしが、偶然出会った一人の少女との交流を通して、少しずつ成長していく過程を繊細に描いた作品。

 著者の岩瀬さんは、1950年山口県生まれ。1978年に『朝はだんだん見えてくる』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。『「うそじゃないよ」と谷川くんはいった』で産経児童出版文化賞・小学館文学賞・IBBYオナーリスト賞を受賞。そのほか、『ステゴザウルス』『迷い鳥とぶ』で路傍の石文学賞、『そのぬくもりはきえない』で日本児童文学者協会賞、『あたらしい子がきて』で野間児童文芸賞、『きみは知らないほうがいい』で産経児童出版文化賞大賞を受賞している。

 坪田譲治文学賞は、児童文学作家・坪田譲治の業績を記念して創設された文学賞。前1年間に刊行された文学作品を対象とし、大人も子どもも共有できる世界を描いたすぐれた作品に与えられる。第36回の選考委員は、阿川佐和子さん、五木寛之さん、川村湊さん、中脇初枝さん、西本鶏介さん、森詠さん、森絵都さんの7名が担当した。

 昨年は、横浜から山口に引っ越した小学4年生のえりと親友のエミとの手紙のやりとりを通して、子どもたちの心の動きを描いた村中李衣さんの『あららのはたけ』(偕成社)が受賞。過去には江國香織さんの『こうばしい日々』(第6回)、角田光代さんの『ぼくはきみのおにいさん』(第13回)、朝井リョウさんの『世界地図の下書き』(第29回)などが受賞している。

Book Bang編集部
2021年1月27日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク