加藤シゲアキ『オルタネート』「クライマックスの盛り上がりが素晴らしい」3つの物語が交錯する構成を書評家も絶賛

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 2月9日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『推し、燃ゆ』が獲得した。
 第2位は『心淋し川』。第3位は『元彼の遺言状』となった。

 4位以下で注目は4位にランクインした『オルタネート』。アイドルグループNEWSのメンバーとして活躍しながら作家生活9年を迎えた加藤シゲアキさんの最新作にして代表作。第164回直木賞の候補作に選ばれ、高い評価を受けるも惜しくも受賞を逃した。高校生限定のマッチングアプリが存在する世界を舞台に3人の若者の成長を描く。部活と恋愛、音楽とそれぞれ別のことに情熱を傾ける3人の物語が終盤で交わり輝きを放つ。発行部数は14万5000部。

 書評家の大矢博子さんは同作について《クライマックスの盛り上がりが素晴らしい。視点人物が目まぐるしく移り変わるカットバック。場面が切り替わる度に熱量と疾走感が増し、畳み掛けるように読者に迫ってくる。》と評価(好書好日より)。また2月6日に放送された加藤さん出演のドラマ「六畳間のピアノマン」とも共通点があることを指摘している。
https://www.bookbang.jp/johnnysbookguide/article/1551

1位『推し、燃ゆ』宇佐見りん[著](河出書房新社)

逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を“解釈”することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し――。デビュー作『かか』が第33回三島賞受賞。21歳、圧巻の第二作。(河出書房新社ウェブサイトより)

2位『心淋し川』西條奈加[著](集英社)

江戸の片隅、小さなどぶ川沿いに建ち並ぶ長屋。 住人たちは人生という川のどん詰まりでもがいていた。 懸命に生を紡ぐ人々の切なる願いが胸に沁みる感動連作!(集英社ウェブサイトより)

3位『元彼の遺言状』新川帆立[著](宝島社)

亡くなった元彼は誰かに殺された!? 犯人だけがその財産を譲り受けられるという奇妙な遺言を受け、 女性弁護士が依頼人と共謀して分け前を狙う破格の遺産相続ミステリー!(宝島社ウェブサイトより)

4位『オルタネート』加藤シゲアキ[著](新潮社)

5位『今度生まれたら』内館牧子[著](講談社)

6位『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』東野圭吾[著](光文社)

7位『お探し物は図書室まで』青山美智子[著](ポプラ社)

8位『何がおかしい 新装版』佐藤愛子[著](中央公論新社)

9位『野良犬の値段』百田尚樹[著](幻冬舎)

10位『犬がいた季節』伊吹有喜[著](双葉社)

〈文芸書ランキング 2月9日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2021年2月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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