芥川賞作家の著者が、ANAの機内誌で連載しているエッセーを書籍化した一冊。故郷・長崎や富山、軽井沢、沖縄、台湾、マレーシア、パリ、ニューヨーク…。国内外での人や自然、場所との出会い、その匂い、音、手触りなどの魅力を繊細な文章で紡ぐ。
タイトルにある青空をはじめ、「どんなに美しかったか」といった光景の数々、また著者の人生という旅の折々-学生時代、上京やアルバイト、作家になるまでなど-の感慨も。
コロナ禍を経験したことで味わいも新たになる旅への思い。名言、名文に身をゆだねられたい。(吉田修一著、集英社文庫・520円)
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2021年2月21日 掲載
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