DeNA流・誰でもできる仕事のパフォーマンスをあげる体調管理メソッド

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仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること

『仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること』

著者
平井 孝幸 [著]
出版社
東洋経済新報社
ジャンル
社会科学/経営
ISBN
9784492046838
発売日
2021/01/29
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

DeNA流・誰でもできる仕事のパフォーマンスをあげる体調管理メソッド

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること』(平井 孝幸 著、東洋経済新報社)の著者は、DeNAで、社員の健康サポートを担当する「CHO(Chief Hearth Officer:最高健康責任者)室」という専門部署を2016年に立ち上げた人物。

CHO室と聞いてもいまひとつピンときませんが、果たしてどんな仕事をしているのでしょうか?

それは、社員が心身共に最高のパフォーマンスを発揮できるよう健康面からサポートすることです。

毎日最高のコンディションで仕事をしてもらうために、ヘルスリテラシーが高まるようなアプローチをすることで、各自が自分流の健康術を編み出し実践できるようにする。それがミッションです。(「はじめに」より)。

つまり、企業内診療所のようなものとは違い、社員の自主性に重きを置いているということのようです。そして、著者がCHO室室長代理としてDeNAで啓発してきた、誰でも実践できる体調管理メソッドをまとめたのが本書だということ。

減量とか血圧を下げる方法など、「健康診断の数値を改善する」ことを目的としたメソッドとは、本質的に意味が異なるわけです。

目的は、あくまでビジネスパーソンが自身のパフォーマンスを最大限に発揮できるようにすることだというわけです。

そうした考え方に基づく本書の第2章「『食べ方』&『飲み方』」のなかから、すぐに役立てられそうな2つのトピックスをピックアップしてみたいと思います。

食後の眠気を防ぐ、ベジファーストの鉄則

食事に関して多くの人を悩ませているのが、食後の眠気ではないでしょうか?

もし昼食後に眠気を感じたなら仮眠をとるべきですが、とはいえすべてのビジネスパーソンが仮眠をとれる状況にあるわけではないのも事実。

著者によれば、そこでポイントになってくるのが「食べ順」。食べ順を間違えてしまうと、血糖値が急激に上昇し、それが眠気につながってしまうのです。

逆にいえば血糖値の上昇を防ぐ必要があるわけで、そのために有効なのが「まず野菜から食べる」こと。糖分の摂取を後半にまわせば、食後に眠気を感じづらくなるからです。

どの順番に食べていくかは、血糖値の上下動を左右します。

野菜を最初に食べると、身体はまず野菜を吸収します。レタスなど葉もの野菜は糖分が多くありませんから、血糖値が一気に上がるようなことはなくなるのです。

野菜を食べ、次にお肉やお魚などのおかずを食べ、それから白米を食べる。

その順番にすると、まったく同じものを食べていても、血糖値の上昇が緩やかになります。

上昇が緩やかなら、落ちるのも緩やかになります。(76ページより)

つまり「食べ順」を知らないと、食後の眠気に襲われてしまうということ。

だからこそ、いきなり白米を食べたりせず、血糖値を意識して食べることが大切。ベジファーストを意識し、必ず毎食、野菜をとるようにする必要があるのです。

糖質の高いものしか食べ物がない場合は、よく噛んで食べることも重要。時間をかけてたくさん噛むだけでも、血糖値の急上昇をある程度抑えることは可能なのだそうです。

なおベジファーストは「ばっかり食べ」、すなわち「最初に野菜を完食してから、次の料理を食べる」食べ方。

「野菜→おかず→白米→野菜→おかず→汁物」を少しずつ食べていく「三角食べ」とは異なるということも、知っておくべきポイントだといいます。(75ページより)

コーヒーを飲むなら「ブラック」「ホット」「淹れたて」

コーヒーには、仕事のパフォーマンス上でのいくつかの利点が。

たとえばご存知のとおり、カフェインの効果によって眠気覚ましにもなります。また、香りによるリラックス効果も期待できます。

ただし、飲み方を知っておかないと逆効果になり、生産性を落とす可能性も。

まずコーヒーは基本、ブラックを飲みます。

これは本書でも度々言及している通り、糖の入っているものは血糖値を一気に上げ、血糖値スパイクを起こす原因になるからです。ミルクを入れる場合は生乳だと良いですね。(104〜105ページより)

ちなみに夏場の暑いときだったとしても、仕事中に飲むコーヒーはホットにしたいところ。アイスコーヒーなど氷入りの飲み物は、身体を冷やしてしまうからです。

身体が冷えると、体を温めることにエネルギーが使われてしまうため、疲れを感じやすくなる人もいるのだそうです。

つまりコーヒーに限らず、飲み物は常温のもの、体温より上のものを飲んだほうがいいということ。

なおコーヒーが苦手だったり、飲むと胃もたれを起こしたり胃が痛くなるという人もいるはず。そういう場合は、淹れたてを飲むようにすれば症状の緩和が見られるかもしれないといいます。

コーヒーを飲んで胃の調子が悪くなる原因のひとつが、コーヒーの酸化です。淹れてから時間が経つと、コーヒーが酸化し、酸味を増した結果、胃の粘膜に強い刺激を与えている可能性があります。

忘れるべきでないのは、自分でドリップしたコーヒーなら大丈夫だというわけでもないこと。淹れてから時間が経てば、当然ながら参加するからです。そのため、冷めたコーヒーを温めなおして飲むのは避けたいところ。

また、たとえ淹れたてのコーヒーだったとしても、淹れる前の豆が酸化してしまっているというケースもあります。したがって万全を期すなら、信頼できるコーヒーショップで豆を買ってきて、家で淹れるのがベスト。(104ページより)

本書の根底にあるのは、「健康管理・体調管理は、ロジカルシンキングやITスキル以上に大切な、ビジネスの基礎スキルである」という著者の思い。

身体はもっとも重要な仕事道具だからこそ、適切に取り扱ってきちんと手入れをすれば、思う存分に力を発揮できるツールとなりうるというわけです。

他にも「目覚め方」&「眠り方」、「姿勢」&「運動」、「リフレッシュ」&「マインドセット」、「口」と「目」のケアと、さまざまな角度から、すぐに取り入れられるメソッドが紹介されています。

DeNAで効果が立証されたそれらを活用し、パフォーマンスを上げてみてはいかがでしょうか?

Source: 東洋経済新報社

Photo: 印南敦史

メディアジーン lifehacker
2021年2月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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