「新書大賞2021」大賞に輝いた『人新世の「資本論」』 経済学者や森永卓郎氏も推薦[新書ベストセラー]

ニュース

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

 3月2日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『スマホ脳』が獲得した。
 第2位は『歴史探偵 忘れ残りの記』。第3位は『現代語訳 論語と算盤』となった。

 4位以下で注目は5位にランクインした『人新世の「資本論」』。経済・社会思想の研究者で大阪市立大学准教授の斎藤幸平さんがマルクス思想の中に眠る環境危機への解決策を解説した一冊。2月10日に発表された「新書大賞2021」で1位に輝いた。同賞は1年間に刊行された新書の中から「最高の一冊」を有識者や書店員、編集者らが投票で選ぶ。また同書は一般読者や紀伊國屋書店社員らが選ぶ「紀伊國屋じんぶん大賞2021 読者と選ぶ人文書ベスト30」でも2位に選出されている。

 経済学者で中央大教授の 瀧澤弘和さんは《世界的危機のなかで、新たな社会のかたちを探求する人たちに一度手にとって検討してもらいたい一冊》と薦め、経済アナリストの森永卓郎さんも多くの「資本論」の解説書のなかでも《最高傑作と呼べる作品》と讃え、《再び新自由主義に傾く日本社会に著者の叫びがぜひ届いてほしい》と訴えている。

■【瀧澤弘和さんによる書評全文】斎藤幸平『人新世の「資本論」』
https://www.bookbang.jp/review/article/657900

■【森永卓郎さんによる書評全文】斎藤幸平『人新世の「資本論」』
https://www.bookbang.jp/review/article/644832

1位『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン[著]久山葉子[訳](新潮社)

平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか? 睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存――最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。(新潮社ウェブサイトより)

2位『歴史探偵 忘れ残りの記』半藤一利[著](文藝春秋)

歴史のよもやま話から悪ガキ時代を描く自伝的エッセイまで。  昭和史最良の語り部 半藤さんの遺した「人生の愉しみ方」(文藝春秋ウェブサイトより)

3位『現代語訳 論語と算盤』渋沢栄一[著]守屋淳[翻訳](筑摩書房)

実業界の父が明かす、ビジネスの秘訣 資本主義の本質を見抜き、日本実業界の礎となった渋沢栄一。経営・労働・人材育成など、利潤と道徳を調和させる経営哲学には、今なすべき指針がつまっている。(筑摩書房ウェブサイトより)

4位『在宅ひとり死のススメ』上野千鶴子[著](文藝春秋)

5位『人新世の「資本論」』斎藤幸平[著](集英社)

6位『コロナとバカ』ビートたけし[著](小学館)

7位『新しい世界 世界の賢人16人が語る未来』クーリエ・ジャポン[編](講談社)

8位『世界のニュースを日本人は何も知らない(2) 未曽有の危機の大狂乱』谷本真由美[著](ワニブックス)

9位『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治[著](新潮社)

10位『陰謀の日本近現代史』保阪正康[著](朝日新聞出版)

〈新書ランキング 3月2日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2021年3月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク