『季語の科学』
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『季語の科学』尾池和夫著
[レビュアー] 産経新聞社
「日永(ひなが)」とは春の季語である。春分を過ぎて夜より昼の時間が長くなり、のびやかな気持ちが感じられる。そのときの昼の長さはどの程度なのか。夜が明けることの意味とは何か。季語(約120項目)と人の営みとのかかわりを、京都大学総長を務めた地球科学者が分かりやすく解説する。
季語は、四季折々の科学的な知が凝縮され、各地の地形や気候、地球と宇宙のつながりを基に成り立っているという。季語を知ることは日本の知の継承ともいえる。テレビ番組でも俳句が身近に感じられる昨今、それぞれの季語を用いた俳句も添えられている。(淡交社・1900円+税)