東野圭吾の名作『魔力の胎動』文庫化 同シリーズの『ラプラスの魔女』とどちらを先に読むべきか

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 3月30日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文庫第1位は『魔力の胎動』が獲得した。
 第2位は『神様の御用人(10)』。第3位は『かがみの孤城(上)』となった。

 1位に初登場の『魔力の胎動』は東野圭吾さんによるミステリ『ラプラスの魔女』(KADOKAWA)の前日譚。『ラプラスの魔女』に登場する謎多き女・円華にスポットを当てた連作短編集となっている。2018年に公開された映画版『ラプラスの魔女』では円華を広瀬すずさんが演じていた。

 文芸評論家の西上心太さんは『魔力の胎動』、『ラプラスの魔女』は《シリーズ一、二作目という単純なものではなく、表裏一体、互いに補完しあう関係になるように構成されているからだ。そのため刊行順に関係なく、どちらの作品から読んでもいいようになっている。実に巧みな工夫である。》と評している。
■【西上心太さんによる書評全文】東野圭吾『魔力の胎動』
https://www.bookbang.jp/review/article/551163

1位『魔力の胎動』東野圭吾[著](KADOKAWA)

成績不振に苦しむスポーツ選手、 息子が植物状態になった水難事故から立ち直れない父親、 同性愛者への偏見に悩むミュージシャン。 彼等の悩みを知る鍼灸師・工藤ナユタの前に、 物理現象を予測する力を持つ不思議な娘・円華が現れる。 挫けかけた人々は彼女の力と助言によって光を取り戻せるか? 円華の献身に秘められた本当の目的と、切実な祈りとは。 規格外の衝撃ミステリ『ラプラスの魔女』とつながる、あたたかな希望と共感の物語。(KADOKAWAウェブサイトより)

2位『神様の御用人(10)』浅葉なつ[著](KADOKAWA)

 日本各地で地震が頻発するなか、突如姿を消した黄金。『大建て替え』の危機を前に、荒脛巾神と田村麻呂の悲しい過去や、黄金の深い後悔を知った良彦は、傷だらけの体で再び立ち上がる――神にもできないことがある。そして人間だからこそできることがあると『神様の御用人』の自分は誰よりも知っているから。  神と人。それぞれが抱く、切なる願いの辿り着く先とは。そして良彦が最後に下す、未来への決断とは――。(KADOKAWAウェブサイトより)

3位『かがみの孤城(上)』辻村深月[著](ポプラ社)

居場所のない彼らが集められた理由。全てが明らかになる時、驚きと大きな感動に包まれる。本屋大賞受賞、堂々8冠のベストセラー(ポプラ社ウェブサイトより)

4位『ゴーストハント(5) 鮮血の迷宮』小野不由美[著](KADOKAWA)

5位『Re:ゼロから始める異世界生活(26)』長月達平[著]大塚真一郎[イラスト](KADOKAWA)

6位『かがみの孤城(下)』辻村深月[著](ポプラ社)

7位『本所おけら長屋(16)』畠山健二[著](PHP研究所)

8位『高校事変(10)』松岡圭祐[著](KADOKAWA)

9位『宮廷神官物語(12)』榎田ユウリ[著](KADOKAWA)

10位『高家表裏譚(3) 結盟』上田秀人[著](KADOKAWA)

〈文庫ランキング 3月30日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2021年4月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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