【話題の本】『回想脳 脳が健康でいられる大切な習慣』瀧靖之著

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 ■コロナ禍でも幸福感を味わう

 回想する、過去を懐かしがる行為には「現実逃避」などネガティブなイメージがつきまとう。だが、脳医学者の著者によれば、「懐かしさ」を感じることは、認知症の進行を抑え、未来に向かって生きる力をつけ、ストレス解消、幸福感などポジティブな効果が多いという。

 加えて、本書冒頭の一文<私は、10代のころから過去を振り返り、昔を懐かしむことの好きな子でした>にも引き込まれた。編集担当の深沢美恵子さんによると、「『実は私も(懐かしむのが好き)』と共感する方が多く、同好の士みたいで楽しそう」と3月中旬発売でまだ初版ながら部数以上の反響が広がっている。

 本書では、回想と知的好奇心・運動・コミュニケーションを組み合わせて効果を上げる「回想脳ワーク」を紹介。たとえば、昔住んでいた家の間取り図を描く▽かつて乗っていたのと同じ車種、年式、色の車に乗る▽懐かしの校舎や店・地を訪ねる▽幼い頃の習い事を再開▽思い出を共有する人との「大人の遠足」…。

 「昔を懐かしむことで力をもらえる。コロナ禍で外に幸せを求めなくても、幸福のタネは自分の内にあるという新しい考え方もできます」と深沢さん。同感!(青春出版社・1540円)

 三保谷浩輝

産経新聞
2021年4月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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