萩尾望都が初めて語った「大泉時代」 話題騒然の貴重な一冊はなぜ出版されたのか?[文芸書ベストセラー]

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 4月27日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『52ヘルツのクジラたち』が獲得した。
 第2位は『白鳥とコウモリ』。第3位は『推し、燃ゆ』となった。

 4位以下で注目は7位に初登場の『一度きりの大泉の話』。漫画家の萩尾望都さんが1970年代のデビュー直後に生活をしていた「大泉サロン」の思い出や、仲間たちとの出会いと別れについて回想した一冊。これまで大泉時代について話してこなかった理由や、思い出すことで自身に起こった変化まで赤裸々に綴られており、少女漫画の歴史的に見ても貴重な証言のため、雑誌やニュースサイト、SNSや個人ブログなど様々な媒体で大きな話題となっている。

 萩尾さんは前書きで当時のことを《私は一切を忘れて考えないようにしてきました。考えると苦しいし、眠れず食べられず目が見えず、体調不良になるからです。忘れれば呼吸ができました。体を動かし仕事もできました。前に進めました。》とまで書いている。そこまでのことをなぜ打ち明ける気持ちになったのか? その理由の一端は、出版元の河出書房新社が発売に合わせて発表したコメント、《なお大泉での日々については、今回、本書に記す内容がお答えできる全てであり、今後も本件について著者取材は一切お受けいたしませんことをご理解賜りますよう、お願い申し上げます。》からうかがい知るしかないのだろう。

1位『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ[著](中央公論新社)

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。(中央公論新社ウェブサイトより)

2位『白鳥とコウモリ』東野圭吾[著](幻冬舎)

遺体で発見された善良な弁護士。 一人の男が殺害を自供し事件は解決ーーのはずだった。 「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」 『白夜行』『手紙』……新たなる最高傑作 東野圭吾版『罪と罰』(幻冬舎ウェブサイトより)

3位『推し、燃ゆ』宇佐見りん[著](河出書房新社)

逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を”解釈”することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し――。デビュー作『かか』が第33回三島賞受賞。21歳、圧巻の第二作。(河出書房新社ウェブサイトより)

4位『掟上今日子の鑑札票』西尾維新[著](講談社)

5位『転生したらスライムだった件(18)』伏瀬[著]みっつばー[イラスト](マイクロマガジン社)

6位『新 謎解きはディナーのあとで』東川篤哉[著](小学館)

7位『一度きりの大泉の話』萩尾望都[著](河出書房新社)

8位『八男って、それはないでしょう!(22)』Y.A[著]藤ちょこ[イラスト](KADOKAWA)

9位『お探し物は図書室まで』青山美智子[著](ポプラ社)

10位『ひとりをたのしむ 大人の流儀(10)』伊集院静[著](講談社)

〈文芸書ランキング 4月27日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2021年5月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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