『小池一子 はじまりの種をみつける』
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『小池一子 はじまりの種をみつける』小池一子著
[レビュアー] 産経新聞社
一つのことを極めた先人が、生きた知恵を語り下ろす平凡社の自伝シリーズ「のこす言葉」が面白い。新刊で登場したのは「無印良品」誕生に携わるなどクリエーティブディレクターの先駆け、小池一子だ。1960年代から今日まで美術、デザイン、広告、ものづくり…と領域を超えて多彩な才能と協働し、時代を切り開いてきた。
武蔵野美大で講義をしていた頃、学生によく言っていたそうだ。「新しい何かを見つけようと思うとき、それはお店には並んでいないわよ」。人と交流すること、好奇心に従うこと。ちょっぴり遠回りに思える行動の中に、はじまりの種はある。(平凡社・1760円)