【話題の本】『英語の読み方 ニュース、SNSから小説まで』北村一真著 コロナ禍で読解本が「復権」!?

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新型コロナウイルス禍以降、インターネットを通じ英語圏の情報を探す機会が増えた。だが会話はともかく読解はできるはずと考えて海外ニュースサイトを訪れたところ、意外と読めずに難渋した経験を持つ人は少なくないだろう。

こうしたなか、本書は大学受験予備校での講師経験も豊富な杏林大准教授が、ニュースや講演などの時事英文を主な素材に、構文解析やよくある言い回しの理解といった「精読」に特化した内容。多くの日本人が嘆く聞き取りの難しさも、実際は文法理解や語彙力の不足から来る読解力の弱さに起因することが多いと喝破する。3月下旬に初版1万2000部でスタートし、約2カ月半で4刷4万5000部と非常に好調だ。

中公新書では1月刊の『英文法再入門 10のハードルの飛び越え方』(澤井康佑著)も5刷3万9000部のヒット作となっており、近年は会話重視の流れに押されがちだった英文読解本の〝復権〟ともいえる状況が到来している。本書を担当した楊木文祥さんは「コロナ禍で旅行ができなくなったこともあり、改めて国外の情報に触れる手段として『読む』という行為が見直されてきているのではないか」と話す。(中公新書・902円)

磨井慎吾

産経新聞
2021年6月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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