やりたくないをやりたいに変えるスキルを身につける方法

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やりたくないをやりたいに変えるスキルを身につける方法

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

著者のことばを借りるなら、『結局、「しつこい人」がすべてを手に入れる』(伊庭正康 著、アスコム)は「『しつこさ』の重要性と、それによって成し遂げられるであろう可能性」について書かれたもの。

でも、そもそも「しつこい」ということばには、「くどい」「粘着」「こだわりすぎてわずらわしい」というようなネガティブなイメージがあるようにも思えます。

しかし、不思議なことに、 自分の心に向かって、 「しつこくやるか」 と言うときは、ポジティブな意味合いで、 使いませんか? (4〜5ページより)

この場合の「しつこく」をいいかえるなら、「何度も何度もアタックする」「諦めずに継続する」「どんなことでも徹底する」「コツコツと地道にやり抜く」といったことになるはず。

つまり本書において著者は、こういった「しつこさ」こそを身につけてほしいと訴えているのです。

たとえば第3章「『面倒』なことでも楽に続けられる習慣化のやり方」では、著者が国内外のさまざまな知見を研究していくなかで発見したという法則が紹介されています。

T たのしくする

K かんたんにする

K こうかを確認する

(977ページより)

この「TKK」ができれば、「しつこくやり続ける」を楽に習慣化できるというのです。きょうはこのなかから「T」、「たのしく」する方法をクローズアップしてみたいと思います。

「やりたくないこと」を「やりたいこと」に変える方法

やらなければならない仕事があるのに、どうにも心が動かないーー。

残念なことに、日常生活においてそういうことは少なくありません。しかし、そんなときは「やりたくない」を「やりたい」に変えればいい。著者はそのように主張しています。

もしかしたら、「それができれば苦労はしない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。けれども、自分なりに価値ある・意味あるものに変えていくと「やりたい」に気持ちが変わるというのです。

Aさんは上司から取引先に提出する企画書の作成を頼まれました。

「もう別の企画書は提出しているのに、新しいのなんて意味ある?」 と思い作業が滞っていましたが、「どうせやるなら、他の取引先にも提出できるようなひな型を作るか」と考えました。

Aさんはひな型を作るという新たな意味を付加することで、「やりたくない」から「やりたい」へギアチェンジしています。(109〜110ページより)

いたってシンプルな発想ですが、このように「どうせやるなら」と自分に投げかけ、どんな変化を生み出すか考えていけば、仕事を「自分ごと化」でき、「やらされ感」から脱却できるということです。

対象を“価値や意味のあるもの”に変換できれば「やりたい」マインドが生まれ、自走力が高まって楽しさも生まれるというわけです。(108ページより)

Mustを、Willに転換させる

「やりたい」へギアチェンジするときに活用できるのが、「Will・Can・Mustのフレームワーク」だそう。

Willは、「やりたいこと」。どんなに些細なことでも構わないといいますが、要するに「こうありたいなぁ」「こんなことができるといいな」と、自分にとっての理想の状態を思い描くわけです。

Canは、「できること」。これまでの経験やスキルを踏まえて、“いまの自分ができること”を挙げるわけです。

そしてMustは、「やらなければならないこと」。つまり、周囲の人や社会などから求められることです。

先のAさんが「やりたくない」から「やりたい」へ変われたのも、MustのなかにWillを見つけることができたから。

しつこくやり続けて成功を手に入れている人たちは、このようにMustをWillへと上手に変換できている人だというのです。(111ページより)

Willは、なんでもいい

Will=やりたいことが見つからないという方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな人たちに対し、著者は次のようにアドバイスしています。

「やりたいこと」は、「未来にどんな自分でありたいか」ですから、最上位の目標をかなえた自分と重なります。

「目標をかなえた自分はどんなふうかな」 と想像しながら、Willを思いつくだけ書き出してみてください。(113〜114ページより)

ピンとくるものが出てこない場合は、「好きなこと」「楽しいこと」「やりがいを感じること」を考え、そこから「未来にどんな自分でありたいか」を想像してみるといいそうです。(113ページより)

ここで紹介されているのは、ビジネスはもちろん、勉強、ダイエット、恋愛と、いろんなシチュエーションで応用できるスキルだそう。それらを実践すれば、誰もが「しつこく」なれると著者は太鼓判を押しています。粘り強さが足りないなと感じている方は、手にとってみてはいかがでしょうか?

Source: アスコム

メディアジーン lifehacker
2021年6月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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