秋吉久美子も注目 70代の女性が恋愛と性愛を取り戻す物語[文芸書ベストセラー]

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 6月22日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『52ヘルツのクジラたち』が獲得した。
 第2位は『小説8050』。第3位は『琥珀の夏』となった。

 4位以下で注目は9位に初登場の『疼くひと』。介護や老い、女性の生き方などをテーマにした作品で知られる映画監督の松井久子さんが2月に発表した小説だ。70代の女性が50代の男性と惹かれあい、恋愛と性愛のよろこびを取り戻す様子を描く。2月の刊行から4ヶ月を経てクチコミでじりじりと支持を広げ、トーハンのベストセラーランキングでは初のランクインとなった。ここに来て大きな注目を集めたきっかけは5月に発売された雑誌「婦人公論」で著者と俳優の秋吉久美子さんの対談が行われ、同対談が婦人公論のウェブメディア「婦人公論.jp」に転載されたこと。

 性愛部分に注目されがちな本書だが、対談のなかで秋吉さんは《作品のベースになっているのはエロスではなく、時代の流れに伴って変容する性のありようなんだろうなと思いました。》と語り、松井さんも《私は70歳になったとき、「かつてこれほど自由だったことがあっただろうか」としみじみ思いました。親にも子どもにも、わずらわされることがない年代。》と語り、母や妻としての役割を求められ抑圧されていた女性たちが「新たな道」を拓くことを肯定する物語であることを示唆している。
https://fujinkoron.jp/articles/-/3822

1位『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ[著](中央公論新社)

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。(中央公論新社ウェブサイトより)

2位『小説8050』林真理子[著](新潮社)

従順な妻と優秀な娘にめぐまれ、完璧な人生を送っているように見える大澤正樹には秘密がある。有名中学に合格し、医師を目指していたはずの長男の翔太が、七年間も部屋に引きこもったままなのだ。夜中に家中を徘徊する黒い影。次は、窓ガラスでなく自分が壊される――。「引きこもり100万人時代」に必読の絶望と再生の物語。(新潮社ウェブサイトより)

3位『琥珀の夏』辻村深月[著](文藝春秋)

大人になる途中で、私たちが取りこぼし、忘れてしまったものは、どうなるんだろう――。封じられた時間のなかに取り残されたあの子は、どこへ行ってしまったんだろう。  かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉の敷地から発見された子どもの白骨死体。弁護士の法子は、遺体が自分の知る少女のものではないかと胸騒ぎをおぼえる。小学生の頃に参加した〈ミライの学校〉の夏合宿。そこには自主性を育てるために親と離れて共同生活を送る子どもたちがいて、学校ではうまくやれない法子も、合宿では「ずっと友達」と言ってくれる少女に出会えたのだった。もし、あの子が死んでいたのだとしたら……。 30年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と罪があふれだす。  圧巻の最終章に涙が込み上げる、辻村深月の新たなる代表作。(文藝春秋ウェブサイトより)

4位『白鳥とコウモリ』東野圭吾[著](幻冬舎)

5位『推し、燃ゆ』宇佐見りん[著](河出書房新社)

6位『リボルバー』原田マハ[著](幻冬舎)

7位『無自覚聖女は今日も無意識に力を垂れ流す(1) 今代の聖女は姉ではなく、妹の私だったみたいです』あーもんど[著]あんべよしろう[イラスト](アース・スターエンターテイメント)

8位『異世界はスマートフォンとともに。(24)』冬原パトラ[著]兎塚エイジ[イラスト](ホビージャパン)

9位『疼くひと』松井久子[著](中央公論新社)

10位『ダンジョンおじさん(2)』広路なゆる[著]ジョンディー[イラスト]J.タネダ[世界観イラスト](一二三書房)

〈文芸書ランキング 6月22日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2021年6月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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