『金正恩と金与正』
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【気になる!】新書『金正恩と金与正』
[レビュアー] 産経新聞社
北朝鮮を率いる金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記と妹の金与正(キム・ヨジョン)党副部長の実像は謎に包まれている。正恩氏が6月上旬、約1カ月ぶりに公の場に登場すると、やせた姿にさまざまな臆測が流れたことは記憶に新しい。与正氏になると、どの程度の権力を持っているかさえ判然としない。
本書は兄を支える与正氏の正体から始まり、北朝鮮の権力構造を読み解く。そこで描き出されるのは、国を創建した祖父の金日成(キム・イルソン)主席時代とはまるで異なる独裁体制の姿だ。日々のニュースではうかがい知れない秘密国家の今を膨大な取材で活写し、圧倒される。(牧野愛博著、文春新書・1078円)