老舗短歌雑誌「短歌研究」が、創刊以来初の女性歌人を責任編集長とする特集「女性が作る短歌研究」を発表。責任編集は歌人の水原紫苑で、特別号となる「短歌研究 8月号」は7月20日(火)に発売する。
「女性とジェンダー」をテーマに、現代短歌シーンを代表する歌人・識者50人が創作した新作短歌、評論、対談が掲載されている。若手の代表格である大森静佳と小島なおの2氏が新作100首を寄稿しているほか、前法政大学総長・田中優子と歌人・川野里子や馬場あき子と水原紫苑の対談が掲載。「文学と女性」「社会と女性」というテーマに、新しい視線で見つめ直してみようという試みになっている。
「短歌研究」は1932(昭和7)年創刊。斎藤茂吉、北原白秋、与謝野晶子、釈迢空という伝説の巨人たちのほか、塚本邦雄、岡井隆、葛原妙子らの前衛短歌歌人の台頭、中条ふみや寺山修司という才能の輩出など、昭和・平成・令和を代表する第一線の歌人たちが創作と評論を競い合った老舗雑誌だ。2021年4月には、コロナ禍を連想する「ディスタンス」をテーマに歌人300人の新作短歌を掲載し、異例の売れ行きで創刊初の重版となり、新聞・メディアで取り上げられた。同号は、かつての女性特集をやめると宣言し、「性別や年齢で括りません」と、「歌壇」と短歌雑誌の長い慣例をうち破るコンセプトを打ち出したことも話題となった。
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2021年7月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
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