【話題の本】『はずれ者が進化をつくる』稲垣栄洋著

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■人気歌手発言で〝追い風〟も

著者は雑草の研究者。人間が手を加えた鑑賞用や食用の植物は、ほぼ想定通りに生育するが、雑草はまったく想定できないという。自然とはそもそもがバラバラなのだ。ところが、バラバラな状態をそのまま理解することの苦手な人間は、対象を整理・分類・比較することで対処しようとする。この性癖は人間に対しても向けられ、人間を観賞用の植物のように手なずけようとする。

雑草の生存戦略を通して、人間の多様性や個性についてしなやかな思考をめぐらせた本書は、令和3年度中学入試の国語試験でもっとも多く使用されたという。さらに歌手・俳優の星野源さんが6月下旬にリリースした新曲「創造」をめぐるインタビューで、星野さんが書いた歌詞「進化を君に 外れ者に授ける」を本書が肯定してくれたと語ったことも手伝って一気に注目されている。

本書は昨年6月刊行で、現在の発行部数は4刷1万5200部だが、これでさらに火がつきそうだ。「中高生はもちろん、現代を生きるビジネスマンや主婦の方にもハッとするような気付きがある本だと思います」と筑摩書房宣伝課の尾竹伸さん。これから本格的な販売促進にかかるという。(ちくまプリマー新書・880円)

桑原聡

2021年7月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
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