「余生」は誉れ高く生きる「誉生」である 森村誠一が人生100年時代の「第3ステージ」の生き方を説く[新書ベストセラー]

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 8月17日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『スマホ脳』が獲得した。
 第2位は『老いる意味 うつ、勇気、夢』。第3位は『無理ゲー社会』となった。

 2位の『老いる意味 うつ、勇気、夢』は作家の森村誠一さんが老後の生き方について綴った一冊。人生100年時代となった今、余生をどう生きるかは誰にとっても重要な問題として迫ってくる。森村さんは残された時間も生きがいとやりがいを感じられるように、社会的な接触を大事にしながら第3のステージを楽しむよう勧めている。また自身が「老人性うつ病」となったことを告白し、回復までの経緯を明かしたことでも話題となった。

 森村さんは同様のメッセージを小説でも発表している。2017年に刊行された『深海の寓話』(KADOKAWA)は引退し膨大な時間の使い方に悩む元刑事を主人公とした小説だ。主人公は時間を潰すために乗っていた環状線の電車の中であるトラブルを目にしたことから、同じ様にリタイア後に人生の目的を失っていた人々と出会う。事件にまきこまれながらも「余生」は誉れ高く生きる「誉生」であると理解し、仲間たちとともに現代の闇の部分「深海」に潜む悪との戦いに誇りをもって挑んでいく。リタイア後の生き方に悩む人々にも、余生に不安を覚える若い世代も勇気をもらえる一冊となっている。

1位『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン[著]久山葉子[訳](新潮社)

平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか? 睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存――最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。(新潮社ウェブサイトより)

2位『老いる意味 うつ、勇気、夢』森村誠一[著](中央公論新社)

老後は勇気をなくして乗り切れない。今までの人生の経験を凝縮して明日に立ち向かう。老後は良いことばかりではない、思わぬ病気もする。老人性鬱病を告白し克服した作家の壮絶な闘い。老後の生き方の意味を提言する森村誠一渾身の話題作。(中央公論新社ウェブサイトより)

3位『無理ゲー社会』橘玲[著](小学館)

才能ある者にとってはユートピア、それ以外にとってはディストピア。誰もが「知能と努力」によって成功できるメリトクラシー社会では、知能格差が経済格差に直結する。遺伝ガチャで人生は決まるのか? 絶望の先になにがあるのか? はたして「自由で公正なユートピア」は実現可能なのか──。  13万部を超えるベストセラー『上級国民/下級国民』で現代社会のリアルな分断を描いた著者が、知能格差のタブーに踏み込み、リベラルな社会の「残酷な構造」を解き明かす衝撃作。(小学館ウェブサイトより抜粋)

4位『どうしても頑張れない人たち―ケーキの切れない非行少年たち2―』宮口幸治[著](新潮社)

5位『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治[著](新潮社)

6位『太平洋戦争への道 1931-1941』保阪正康[編著]半藤一利[著]加藤陽子[著](NHK出版)

7位『知らないと恥をかく世界の大問題12 世界のリーダー、決断の行方』池上彰[著](KADOKAWA)

8位『人新世の「資本論」』斎藤幸平[著](集英社)

9位『現代語訳 論語と算盤』渋沢栄一[著]守屋淳[訳](筑摩書房)

10位『生物はなぜ死ぬのか』小林武彦[著](講談社)

〈新書ランキング 8月17日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2021年8月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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