「墓じまい」をしたいと思っている人は、読者の中にもいるのではないだろうか。ただ、代々続いてきた墓を自分の代で移すことには後ろめたさも付きまとう。
宗教学者の著者は、家や墓が「代々続いていく」という考えはそもそも幻想でしかないと指摘。墓じまいの実際とともに、日本人にとっての墓の歴史、先祖供養のあり方、死生観の変化などに触れながら、私たちが墓に執着する理由を解き明かし、新たな墓のあり方を考察している。
墓じまいをしてしまえば後戻りはできない。決断を下す前に読んでおきたい。(詩想社・1100円)
-
2021年10月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです