【気になる!】新書 『続 作歌相談室』
[レビュアー] 産経新聞社
歌壇の第一線で活躍する歌人で編集者の著者が、短歌愛好者らの作歌の悩みに答えた名著だ。著者は昭和6年生まれ。国内最大級の歌人団体「日本歌人クラブ」の大賞をはじめ、数々の受賞歴を持つ。長年の作歌経験に裏打ちされた回答には説得力がある。
平成28年に刊行され、好評を博した新書「作歌相談室」の続編。月刊紙「現代短歌新聞」に掲載された連載に手を加えた。
現代短歌に対する考え方や推敲(すいこう)と添削の意義などが示されており、短歌の奥深さを実感させてくれる。回答の随所に名歌が織り込まれているのもうれしい。(来嶋靖生著、現代短歌社新書・1980円)