【話題の本】『100冊の自己啓発書より「徒然草」を読め!』適菜収著

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■古典に潜む過激思想剔出

ニーチェに学んだ思想を土台に、日本人と日本社会に忖度(そんたく)することなく礫(つぶて)を投げ続ける著者が、兼好法師の『徒然草』を読み解いた。いわく《作者の兼好法師は「腐った世の中と戦え」と叫んでいる》。隠棲(いんせい)した人物が書いた滋味あふれる随筆といった捉え方を突き破り、著者は兼好法師の言葉を紹介したうえで、そこに潜む過激な思想を剔出(てきしゅつ)する。

たとえば「キラキラネームのメンタリティー」という項では、《人の名も、目なれぬ文字をつかんとする、益なきことなり。何事も、珍しきことを求め、異説を好むは、浅才の人の必ずあることなりとぞ》という言葉を取り上げ、こうバッサリとやる。《政治家の名前は太郎や一郎が多い。これは世襲が多いからだろう。選挙のときもわかりやすい。「皇帝」なら必ず落選する》

担当編集者の木村圭輔さんは「無料のネットニュースやSNSを追いかけてきて得たものと、そこに費やした時間を比べて、無駄のほうがはるかに多いことに気づきました。ぜひ日本の古典で本質を見極める見識を身につけていただければ」と話す。9000部でスタートし、アマゾンの分野別ランキングではすぐに1位に躍り出た。(祥伝社新書・946円)

桑原聡

産経新聞
2021年11月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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