-
- 100冊の自己啓発書より「徒然草」を読め!
- 価格:946円(税込)
■古典に潜む過激思想剔出
ニーチェに学んだ思想を土台に、日本人と日本社会に忖度(そんたく)することなく礫(つぶて)を投げ続ける著者が、兼好法師の『徒然草』を読み解いた。いわく《作者の兼好法師は「腐った世の中と戦え」と叫んでいる》。隠棲(いんせい)した人物が書いた滋味あふれる随筆といった捉え方を突き破り、著者は兼好法師の言葉を紹介したうえで、そこに潜む過激な思想を剔出(てきしゅつ)する。
たとえば「キラキラネームのメンタリティー」という項では、《人の名も、目なれぬ文字をつかんとする、益なきことなり。何事も、珍しきことを求め、異説を好むは、浅才の人の必ずあることなりとぞ》という言葉を取り上げ、こうバッサリとやる。《政治家の名前は太郎や一郎が多い。これは世襲が多いからだろう。選挙のときもわかりやすい。「皇帝」なら必ず落選する》
担当編集者の木村圭輔さんは「無料のネットニュースやSNSを追いかけてきて得たものと、そこに費やした時間を比べて、無駄のほうがはるかに多いことに気づきました。ぜひ日本の古典で本質を見極める見識を身につけていただければ」と話す。9000部でスタートし、アマゾンの分野別ランキングではすぐに1位に躍り出た。(祥伝社新書・946円)
桑原聡
産経新聞社「産経新聞」のご案内
産経ニュースは産経デジタルが運営する産経新聞のニュースサイトです。事件、政治、経済、国際、スポーツ、エンタメなどの最新ニュースをお届けします。
関連ニュース
-
「安倍氏を担ぎ上げてきたわれわれの社会の病をあぶり出す」新書ベストセラーに『安倍晋三の正体』が初登場
[ニュース](政治/思想・社会/言語学)
2023/07/15 -
「究極のかまってちゃん」「下半身から先に生まれた男」「メディアへの圧力を強化」……自民党総裁候補もとりあげた『自民党の大罪』ベストセラーランキングに登場[新書ベストセラー]
[ニュース](政治/本・図書館)
2024/08/31 -
星野源が星先生!「女の園の星」最新3巻がベストセラー オリジナルアニメが付属の特装版も発売[コミックスベストセラー]
[ニュース](コミック)
2022/12/17 -
稲垣吾郎が西村京太郎に自ら売り込み「今後色々と心配なので」 トラベルミステリーに意欲
[ニュース/テレビ・ラジオで取り上げられた本](ミステリー・サスペンス・ハードボイルド)
2017/12/09 -
【手帖】日本医療小説大賞の候補作決まる
[ニュース](日本の小説・詩集/歴史・時代小説/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド)
2016/03/03