【気になる!】文庫『北京の台所、東京の台所』

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

北京の台所、東京の台所

『北京の台所、東京の台所』

著者
ウー・ウェン [著]
出版社
筑摩書房
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784480437679
発売日
2021/10/11
価格
968円(税込)

書籍情報:openBD

【気になる!】文庫『北京の台所、東京の台所』

[レビュアー] 産経新聞社

中国・北京生まれの料理研究家が、自らの半生と日中の料理にまつわるエピソードをつづったエッセー集の文庫化。かぜ予防の酢とみかんの香りが室内に漂う冬の情景などから、医食同源の考え方が根付いた北京の暮らしぶりが浮かぶ。

文化大革命下の小学生時代には母と2人で農村に送られ、家族がバラバラに。食べ物もろくにない中、母がトウモロコシの粉で作る蒸しパンの思い出も語られる。天安門事件の影響でカナダ留学を断念し、平成2年に来日。レシピ本などで北京家庭料理を紹介する。シンプルでやさしい味のルーツがうかがえる一冊だ。(ウー・ウェン著、ちくま文庫・968円)

産経新聞
2021年11月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク