きょう21日は落語界で異彩を放った立川談志の命日。没後10年がたった今もその精神を受け継いだ弟子がさまざまな場で活躍しており、その影響力はすさまじいものがある。著者も、16年半もの長い前座生活を送った筋金入りの弟子だ。
「名刺を持つな」「基礎はキチンとやれ」「俺の高座はドキュメントである」。本書には、著者が談志の近くで書き留めてきた名言や迷言が凝縮されていて、実に興味深い。
破天荒な落語家として知られた談志だが、繊細な一面もある。弟子に対する優しい一面も伝えており、笑いと涙を誘う一冊。(立川キウイ著、新潮新書・836円)
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2021年11月21日 掲載
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