元博報堂のプレゼンターが実践する うまくいく企画書づくりの秘訣

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※画像はイメージです

アイディアはあるのに、企画書やプレゼンを通す自信がない……という社会人は多いのではないでしょうか。その原因は、企画採用の裏付けとなる「説得力」を内容に落とし込めていないから、かもしれません。

博報堂で35年間マーケティング職として活躍し、トッププレゼンターとして知られる須藤亮さんは、説得力のある企画書とプレゼンには不変の「作法」がある、と話します。今回は、須藤さんが国内外で何百回も企画・プレゼンをこなした末に辿り着いたというフレームワークをご紹介します。

※本稿は『トッププレゼンターが教える「企画書とプレゼン」実践講座』(須藤 亮 著、日本実業出版社)の「はじめに」を再編集しています。

企画を伝える作法がある

私は、広告代理店のマーケティングプランナーを主たる職業として、半世紀近くやってきました。自分がやってきたことは何だったのか、改めて考えてみると、ずっと「企画とプレゼン」をやってきたと言ってもいいのかなと思います。

さらによく考えてみると、企画の内容は、その都度、時代の要請に応じて変えてきたし、プレゼンの仕方も、PC(パソコン)やパワーポイント、Zoomなど小道具の発展で変わってきたわけですが、その中で変わらないものもあるなと気づきました。それは何かと言うと、「どう企画書化し、どうプレゼンするか」という企画を伝える作法です。

そこで本書では、企画書とプレゼンに関し、私が辿り着いた過去も未来も変わらないであろう、そのやり方を解説することにしました。

リボンフレームが導く拡散と集約

それには、「リボンフレーム」というメソッドを使います。リボンフレームは、人間の拡散思考と集約思考を企画作業にうまく当てはめたフレームで、博報堂が一時グローバルの仲間にプランニングの基本として自社のテキストブックに載せていたものですが、これが企画書づくりにあたってシンプルでよくできていました。

私はそれを使いながら、グローバルでの数々のプレゼンをこなしてきました。そして、そこに自分なりの工夫を加え、リボンフレームの中心に「ロジック3点セット」を持ってくる構造にしました(下図参照)。


「リボンフレーム」メソッド

メソッドをバージョンアップしたというより、元々リボンフレームに含まれていた暗黙知を明示知化した、と言ったほうが正確でしょうか。

そうすると、企画書のつくりがみるみる強固で説得力あるものになっていきました。何故だろうと改めて考えてみると、これは人間の脳の働きをうまくシミュレーションしているからだろうと思い至りました。

その一つは、リボンフレームが導いてくれる拡散思考と集約思考。人間は企画するとき、この2つの思考法を上手に使うと良い企画ができます。

もう一つは、ロジック3点セットがもたらしてくれるロジック構築法。これは、「人間はどう言われると説得されるのか」について、ビジネスの幾多のシーンで私が見てきたものを簡略化し、図式化したものです。

企画する脳と説得される脳

結論的に言うと、改訂したリボンフレームは、企画する脳と説得される脳を上手にシミュレーションしたことがいつでもどこでも通用する秘訣、なのだと思います。ですから、少々大げさですが、これで企画書をつくり、プレゼンすれば「鉄板」 、というのが本書のメッセージになります。

その上で、本書ではビジネスの色々な事案にどう対応するかについて数々の事例を取り上げました。例えば、街の本屋さんの再生、地方創生案件、新商品開発案件、自動車のグローバル事案など。

また、僭越ながら、国内外で何百回も企画、プレゼンをこなしてきた私の経験を踏まえ、企画と企画書とプレゼンに関するティップス(=ヒント)を、できるだけ数多く具体的に列挙しました。例えば、企画の発想法、企画書の体裁、頭を良く見せる工夫、プレゼンスキルのアップのための練習法などです。

結果として、少々頁数が多くなってしまいましたが、目次を体系的にまとめ、どこから読んでもいいように工夫しました。また、性急な読者のために、最も効果的な本書の吸収の仕方として、筆者が推奨する「とっておきのヒント」を最後に用意しましたので、ご覧になってください。

この「企画書とプレゼン実践講座」が、あなたの成長、日々のお仕事に役立てれば幸いです。

須藤 亮(すどう りょう)
マーケティングプランナー/株式会社TOM代表取締役社長。1980年早稲田大学法学部卒。博報堂で、35年間マーケティング職、ストラテジックプラニング職として、トヨタ自動車、花王、KFC、JT、味の素、全日空、マクドナルド、アステラス製薬などのクライアント企業を担当。途中、日本リーバ〈現ユニリーバ・ジャパン〉にアイスクリームのブランドマネージャーとして2年間出向。2001年よりタイのバンコクを皮切りに海外赴任生活に入る。タイのバンコクに博報堂アジア・ブランディング&ソリューション事務所を立ち上げ、その後、香港、広州、北京と渡り歩いた。
博報堂での後半15年はトヨタ自動車をクライアントとし、電通との一騎打ちに奔走。博報堂のトッププレゼンターとして活躍。2013年帰国。2015年に博報堂を退社し、(株)TOM(トップ・オブ・マインド)を設立。(株)本TUBE取締役。さまざまな企業の実践マーケティング、ブランディング、コミュニケーション戦略プラニングなどのコンサルティングや地方創生事業などに従事。
著書に『博報堂で学んだ負けないプレゼン』(ダイヤモンド社)、『スマホメモ 仕事と人生の質を上げるすごいメモ術』(CCCメディアハウス)がある。

須藤 亮(マーケティングプランナー)協力:日本実業出版社

日本実業出版社
2021年11月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

日本実業出版社

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