自己肯定感を育み「自己有用感」高める3つの行動

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毎日みるだけ!自己肯定感365日BOOK

『毎日みるだけ!自己肯定感365日BOOK』

著者
中島輝 [著]
出版社
SBクリエイティブ
ジャンル
哲学・宗教・心理学/心理(学)
ISBN
9784815612207
発売日
2021/11/26
価格
1,595円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

自己肯定感を育み「自己有用感」高める3つの行動

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

心理カウンセラーである『毎日みるだけ! 自己肯定感365日BOOK』(中島輝 著、SBクリエイティブ)の著者は、「自己肯定感」について次のように述べています。

自己肯定感とは、自分が自分であることに満足し、価値ある存在として受け容れ、幸福感を得る感覚です。

言い換えるなら、生きるための土台であり、毎日を支えるエネルギーそのものです。(「はじめに」より)

自己肯定感が低くなると、ちょっとした出来事で心が揺れ動き、気分が沈みやすくなり、消極的になってしまいがち。自分を自分で否定してしまう、マイナス状態になってしまうということです。

逆に自己肯定感が高い状態にあると、ものごとを前向きに解釈することが可能に。そのため気持ちが安定し、積極的に行動することができる。すなわちプラスの状態になれるわけです。

自己肯定感を高めること、それは自分に自分で「YES!」と、人生の主人公になる一番シンプルな方法でもあるのです。(「はじめに」より)

つまり本書では、こうした考え方に基づき、ネガティブな状況を変えていくものごとの考え方、捉え方、感情の持ち方、心理テクニックを紹介しているのです。

きょうは「自己有用感(自分はなにかの役に立っているという感覚)」に焦点を絞った第6章「『自己有用感』を高める・貯める」のなかから、3つのトピックスをご紹介したいと思います。

スケジュールは埋めない

スケジュールが空いていると、「充実していない」「社会とつながっていない」と感じてしまうことがあるもの。

しかし、いつもアンテナも神経も張り続け、仕事と人の世話だけを繰り返すような毎日を送っていたら、気持ちがすり減ってしまっても無理はありません。

しかも予定で心の穴を埋めようとすると、どうしても疲れは出てしまうもの。でも、ときにはゆっくりとしてもいいのだと著者は訴えています。

あなたの心をゆるめ、自由を与えられるのはほかの誰でもないあなた自身です。

心がゆるめば、自然と空間ができます。空間ができれば、自然と新しい何かが心に入ってきます。 心に新しい何かができれば、あなたの魅力は増していきます。(362ページより)

したがって、あえてスケジュールを埋めないようにすることが大切だということ。そうすれば、焦らずゆっくり構えたことによって得られたものが、将来的に役立ってくれるわけです。(362ページより)

仕事の人間関係は、うまくいかないことが前提だと思う

仕事に関する人間関係で悩んでいるのなら、「5-15-50-150-500の法則」を思い出してみるといいそうです。ソーシャルメディアの研究者であるポール・アダムスが著作『ウェブはグループで進化する』のなかで提唱した法則。それは、私たちがうまくつきあえる人間関係の幅を示したものだといいます。

「5」は家族や親友など、精神的支えや困ったときの助けを求めることのできる相手の平均的な人数。

「15」はその人が亡くなれば大きな悲しみを経験するような人たち。

「50」は比較的頻繁にコミュニケーションをとる人の数。

「150」は人間の頭脳の大きさで決まる、一人ひとりの名前を覚えていてはっきり認識できる人の数(ダンパー数)。

「500」は弱いつながりと呼ばれる、会ったことはあるけれどそれほど親しくない、名前くらいは覚えている人の数です。(380ページより)

職種にもよるものの、仕事でつながっている人の数は15人よりも大きいケースがほとんどではないでしょうか。だとすれば無条件で、親しみを感じる人のグループを超えていることになるわけです。

つまり、努力なしに円満でスムーズな人間関係を保てるような職場はほぼないのです。苦労があるのが当たり前だというわけで、だからこそ大切なのは、そんな認識を持って淡々とマイペースに臨むこと。それが、職場の人間関係をうまく泳いでいくコツだということです。(380ページより)

怒りが湧いたら、とりあえず6秒待つ

「怒り」は、人にダメージを与える感情。

怒りを覚えると、神経伝達物質であるアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されやすくなるのだそうです。顔が赤くなったり、血圧が高くなったり、心臓の鼓動が早くなったりするのは、それら神経伝達物質の働き。

一方、怒りを理性的に抑えるのは前頭葉ですが、こちらが働き出すには4〜6秒かかります。 このタイムラグをやり過ごせば、理性的に判断できるようになり、「キレる」といった行為を回避できるのです。

ですから、怒りが湧いたら、とりあえず6秒待ちましょう。そして、嫌な人ほど、「お元気で、さようなら」と唱えて、許せない相手への気もちを手放しましょう。(381ページより)

恨みや怒りの感情を手放したあとはストレス症状が改善し、血圧が下がり、免疫力が上がり、睡眠の質が向上し、心と体の健康レベルが確実に高まるということが研究でわかっているのだとか。

一度手放した後もまた、恨み、許せないという気もちが生じそうになったら、次の質問を自分に投げかけてみてください。

「執着することで、自分は幸せなの?」

「ネガティブな感情に引っ張られる状態は、自分に合っているの?」 (381ページより)

たったこれだけでも、心の重荷がとれるはずだと著者は記しています。(381ページより)

自己肯定感は少しずつ貯めながら、ゆっくりと高めていくことができるのだそうです。いいかえれば、毎日積み重ねていくことで、確実に育まれていくということ。毎日コツコツと自己肯定感を高める行動を積み重ねていくために、本書を活用してみてはいかがでしょうか?

Source: SBクリエイティブ

メディアジーン lifehacker
2021年11月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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