【話題の本】『恋侍 中目黒世直し編』柴崎竜人著

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■音声ドラマが紙の本に

小説を紙で読む? 音で聴く?

「audiobook.jp」「Audible」など、本の朗読を録音したオーディオブックの配信サービスの利用が拡大し、音声コンテンツに注目が集まっている。そんな中、耳で聴く音声ドラマ「恋侍」が紙の本になった。

「恋侍」は、恋愛示現流免許皆伝の主人公が美しい女性を口説こうとするラブコメディー。作家の柴崎竜人さんが6年前に雑誌のウェブサイトで連載した小説「ふたりのニコライ」を、音声ドラマ7話分(1話当たり10~15分)の脚本にリライトした。今春開設された音声ドラマ配信サイト「NUMA(ヌーマ)」で聴ける。俳優による感情表現に加え、効果音やBGMがイメージを広げる。

一方、書籍は大部分が書き下ろし。ドラマの続きも読める。NUMAからの書籍化は本書が初めて。その経緯について、柴崎さんは巻末対談で「自分の中で登場人物たちの存在感が生々しく立ち上がって」きて、その後を知りたくなったと明かしている。音声ドラマで物語の世界観を膨らませたリスナーを、紙の本が取り込めるか。逆に紙からの音声ドラマ化はあるのか。今後の展開が注目される。(講談社・1595円)

寺田理恵

産経新聞
2021年12月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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