【気になる!】コミック『ペルシャの幻術師①』

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【気になる!】コミック『ペルシャの幻術師①』

[レビュアー] 産経新聞社

国民的作家の「幻のデビュー作」といわれる伝奇小説を漫画化した作品。

舞台は13世紀、モンゴル軍に蹂躙(じゅうりん)されたペルシャの街メナム。軍を率いる若き支隊長ボルトルは、この地で美しい女性ナンを見初め、求愛する。そこに突然現れたのは謎の幻術師アッサム。ボルトルの暗殺を予告し、闇夜に消えた妖しい姿に、ナンは幻惑される。

コミック化に挑んだのは、『月と金のシャングリラ』などチベットが舞台の作品に定評のある漫画家。初期の司馬作品が持つ歴史ロマンや妖しい雰囲気を絵で再現している。繊細な描写につい見入ってしまう。(司馬遼太郎原作、蔵西(くらにし)漫画、文芸春秋・990円)

産経新聞
2021年12月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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