芥川賞受賞作『ブラックボックス』がベストセラー ギグワーカーを通して現代の歪を描く[文芸書ベストセラー]
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- ブラックボックス
- 価格:1,705円(税込)
2月1日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『黒牢城』が獲得した。
第2位は『塞王の楯』。第3位は『ブラックボックス』となった。
1位と2位はどちらも第166回直木賞の受賞作。3位の『ブラックボックス』も同時発表された第166回芥川賞の受賞作だ。メッセンジャーとして働く男性を主人公に現代社会で誰もが感じる孤独感や無力感、焦燥感を描く。著者の砂川文次さんは2018年に『戦場のレビヤタン』(文藝春秋)、2020年には『小隊』(文藝春秋)と二度芥川賞にノミネートされており、三度目の正直で受賞となった。砂川さんは元自衛官というキャリアをもち、『戦場のレビヤタン』では民間軍事会社に務める元自衛官の目から見た戦場と社会を描いた。『小隊』では北海道に上陸したロシア軍に対峙する自衛隊小隊長の葛藤を描いた。今作『ブラックボックス』ではミリタリー色を廃し、コロナ禍で注目を浴びたギグワーカーを主人公としており、世相を反映した受賞ともいえるだろう。
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- 黒牢城
- 価格:1,760円(税込)
1位『黒牢城』米澤穂信[著](KADOKAWA)
本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の智将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の集大成。『満願』『王とサーカス』の著者が辿り着いた、ミステリの精髄と歴史小説の王道。(KADOKAWAウェブサイトより)
2位『塞王の楯』今村翔吾[著](集英社)
どんな攻めをも、はね返す石垣。どんな守りをも、打ち破る鉄砲。「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、究極の戦国小説!(集英社ウェブサイトより)
3位『ブラックボックス』砂川文次[著](講談社)
第166回芥川賞受賞作。ずっと遠くに行きたかった。今も行きたいと思っている。自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろう。自衛隊を辞め、いまは自転車メッセンジャーの仕事に就いているサクマは、都内を今日もひた走る。昼間走る街並みやそこかしこにあるであろう倉庫やオフィス、夜の生活の営み、どれもこれもが明け透けに見えているようで見えない。張りぼての向こう側に広がっているかもしれない実相に触れることはできない。(本書より)気鋭の実力派作家、新境地の傑作。(講談社ウェブサイトより)
4位『探花―隠蔽捜査9―』今野敏[著](新潮社)
5位『服飾師ルチアはあきらめない ~今日から始める幸服計画~ 2』甘岸久弥[著](KADOKAWA)
6位『母の待つ里』浅田次郎[著](新潮社)
7位『リアデイルの大地にて8』Ceez[著](KADOKAWA)
8位『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬[著](早川書房)
9位『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』遠藤和[著](小学館)
10位『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成[著](KADOKAWA)
〈文芸書ランキング 2月1日トーハン調べ〉
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