「人生は本来、不要不急ではないか」養老孟司が考え抜いた「ヒト」の生きる価値とは[新書ベストセラー]

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 2月15日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い』が獲得した。
 第2位は『ヒトの壁』。第3位は『腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する』となった。

 2位の『ヒトの壁』は『バカの壁』(新潮社)からはじまる養老孟司さんの「壁」シリーズの最新刊。2021年12月の刊行から3ヶ月で30万部を突破し、シリーズ累計でも670万部を突破している。養老さんは新型コロナ禍のなか、自身も心筋梗塞で死と向き合い、17年間ともに暮らした愛猫「まる」の死も経験した。同書は生物学的な人体そのものをあらわす「ヒト」をタイトルに冠し、誰もが死を身近に感じ、生物としての生き方を意識せざるを得なかったこの2年間の養老さんの思索をまとめた一冊となっている。同書の中で養老さんはコロナ禍でよく聞かれた「不要不急」という言葉をとりあげ、《人生は本来、不要不急ではないか》と問題提起しながら、それでも生きる価値はどこにあるのか、と考え抜いた究極の人間論となっている。

1位『70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い』和田秀樹[著](詩想社)

団塊の世代もみな、2020年には70代となった。現在の70代の日本人は、これまでの70代とはまったく違う。格段に若々しく、健康になった70代の10年間は、人生における「最後の活動期」となった。この時期の過ごし方が、その後、その人がいかに老いていくかを決めるようになったのだ。(詩想社ウェブサイトより抜粋)

2位『ヒトの壁』養老孟司[著](新潮社)

病気はコロナだけじゃない。そして、死は誰にでも平等にやってくる。新型コロナウィルス禍と五輪、死の淵をのぞいた自身の心筋梗塞、愛猫まるの死――ヒトという生物であると実感し、2年間の体験からあらためて問い直す。人生そのものが、不要不急ではないか。それでも生きる価値はどこにあるのか。84歳の知性が考え抜いた、究極の人間論! 「壁」シリーズ4年ぶり待望の最新刊。(新潮社ウェブサイトより)

3位『腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する』黒尾誠[著](幻冬舎)

1日約180Lもの原尿をつくる腎臓。腎臓は原尿を「血液に戻す分」と「尿として排出する分」とに仕分けし、体内の水分、塩分、血圧などを一定に保つ。近年、血中のリンを多く排出できる腎臓を持つ動物ほど寿命が長いことがわかった。中でもハム、ベーコン、プロセスチーズ、かまぼこなどの加工食品に多く含まれる無機リンは、体内で老化加速物質へと変貌し、慢性腎臓病、動脈硬化、心臓病を引き起こす。リンを排出する力は自覚症状なしに衰え、気づいたときには手遅れに。食事や運動の工夫で腎臓を強く保ち、寿命を延ばす方法を伝授。(幻冬舎ウェブサイトより)

4位『糖質中毒 痩せられない本当の理由』牧田善二[著](文藝春秋)

5位『今を生きるあなたへ』瀬戸内寂聴[著]瀬尾まなほ[著](SBクリエイティブ)

6位『寂聴 九十七歳の遺言』瀬戸内寂聴[著](朝日新聞出版)

7位『日本再生へ!「確かな実力」 暮らしを守り未来をひらく挑戦』西田まこと[著]「確かな実力」取材班[著](潮出版社)

8位『捨てない生きかた』五木寛之[著](マガジンハウス)

9位『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン[著]久山葉子[訳](新潮社)

10位『生物はなぜ死ぬのか』小林武彦[著](講談社)

〈新書ランキング 2月15日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年2月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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