「直木賞を獲った瞬間に文体が変わった」『塞王の楯』今村翔吾が明かした変化[文芸書ベストセラー]

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 3月15日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~短編集2』が獲得した。
 第2位は『聖女の魔力は万能です 8』。第3位は『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 13』となった。

 4位以下で注目は4位にランクインした『塞王の楯』。第166回直木賞を受賞した今村翔吾さんによる歴史小説。合戦のど真ん中で石垣修復工事を行う穴太衆という石工集団と、鉄砲職人の国友衆の戦いを描く。今村さんは直木賞3度目のノミネートで念願の受賞となった。今村さんは「青春と読書」(2022年3月号)のインタビューで賞を獲り変わったこととして《「たとえば、それまでは『知盛(とももり)には言いたいことがある』と書いていたのが、『知盛には言いたいことが、ある』と、途中に読点をつけるようになった。これは一例ですけど、本来自分はこうしたいと思っていた文体なり句読点の打ち方なりに、挑戦することができるようになったんですね」》とあげ、文体が変わり《小説が急にうまくなった気がする》と明かしている。

1位『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~短編集2』香月美夜[著](TOブックス)

貴族院も三年生が終わる。青色巫女見習いの頃に比べると、名前がマインからローゼマインに変わって、身長も25cmくらい伸びた。植物紙の本もいっぱい作った。わたしが知らないうちに、みんなも色々あったみたい。えっ!?ルッツとトゥーリが婚約???知られざるエピソード満載の短編集第2弾!WEB掲載のSSや、「第二部神殿の巫女見習い」から「第五部女神の化身IV」までの特典SSなど、単行本に未収録の短編計19編を一冊に!下町の家族や仲間、側仕え、他領の貴族、王族達などの視点を通して描かれる人生模様。ユルゲンシュミットの各領地を変遷しながら、本編と交錯する物語が拡張する!各短編に香月美夜の解説入り!椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!(TOブックスウェブサイトより)

2位『聖女の魔力は万能です 8』橘由華[著](KADOKAWA)

ホーク領の黒い沼を浄化して【聖女】業は一段落。本業の薬用植物研究所の仕事に戻ったセイだが、育てたいものが多すぎて畑が足りない! 新しくつくった研究所分室に、セイの能力で育てる極秘薬草などが集められ……(KADOKAWAウェブサイトより)

3位『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 13』夕蜜柑[著](KADOKAWA)

アニメ版キャストで送るオリジナルドラマCD付き! ――メイプルとサリーはオフ会の練習をすることに。練習相手はフレデリカと……本当は人見知りなミィ!? トッププレイヤーたちの初めての女子会の行方は……?(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『塞王の楯』今村翔吾[著](集英社)

5位『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬[著](早川書房)

6位『水属性の魔法使い 第一部 中央諸国編4』久宝忠[著](TOブックス)

7位『黒牢城』米澤穂信[著](KADOKAWA)

8位『正欲』朝井リョウ[著](新潮社)

9位『目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい 7』リュート[著](KADOKAWA)

10位『最強の鑑定士って誰のこと? 15 ~満腹ごはんで異世界生活~』港瀬つかさ[著](KADOKAWA)

〈文芸書ランキング 3月15日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年3月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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