SNS・メディアで話題のロシア研究者・小泉悠氏の『現代ロシアの軍事戦略』 プレミア付きで取引されるも重版でベストセラー

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 3月23日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』が獲得した。
 第2位は『70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い』。第3位は『ヒトの壁』となった。

 1位の『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』は2002年の刊行ながら、ロシアによるウクライナ侵攻を受け注目が集り8万部を突破。現在の情勢につながる歴史的背景を描き、ロシアがウクライナを狙う理由がよくわかると評判。

 4位以下で注目は6位にランクインした『現代ロシアの軍事戦略』。ロシアの軍事・安全保障の専門家・小泉悠氏が昨年5月に発表した一冊。ロシア人の国家観や戦争観から、具体的な兵器や部隊、サイバー空間や言論空間など「新しい戦争」への対応など、ロシアの軍事戦略を多層的に解説。同書が書かれたのは約1年前だが、ロシア側から見たウクライナへ侵攻しなければならない理由も詳しく解説されている。小泉氏の発言がSNSで話題となり、一部ネット書店では古書にプレミアがついていたが、再販されランクインとなった。

 コラムニストの林操さんは同書について《規模や技術で一見、米国に劣るロシアの軍事力の不気味な強さを実例とデータから分析し、今後についても説得力ある予想を示してくれてます》と評している。

1位『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』黒川祐次[著](中央公論新社)

ロシア帝国やソヴィエト連邦のもとで長く忍従を強いられながらも、独自の文化を失わず、有為の人材を輩出し続けたウクライナ。不撓不屈のアイデンティティは、どのように育まれてきたのか。スキタイの興亡、キエフ・ルーシ公国の隆盛、コサックの活躍から、一九九一年の新生ウクライナ誕生まで、この地をめぐる歴史を俯瞰。人口五〇〇〇万を数え、ロシアに次ぎヨーロッパ第二の広い国土を持つ、知られざる「大国」の素顔に迫る。(中央公論新社)ウェブサイトより

2位『70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い』和田秀樹[著](詩想社)

団塊の世代もみな、2020年には70代となった。現在の70代の日本人は、これまでの70代とはまったく違う。格段に若々しく、健康になった70代の10年間は、人生における「最後の活動期」となった。この時期の過ごし方が、その後、その人がいかに老いていくかを決めるようになったのだ。(詩想社ウェブサイトより抜粋)

3位『ヒトの壁』養老孟司[著](新潮社)

病気はコロナだけじゃない。そして、死は誰にでも平等にやってくる。新型コロナウィルス禍と五輪、死の淵をのぞいた自身の心筋梗塞、愛猫まるの死――ヒトという生物であると実感し、2年間の体験からあらためて問い直す。人生そのものが、不要不急ではないか。それでも生きる価値はどこにあるのか。84歳の知性が考え抜いた、究極の人間論!「壁」シリーズ4年ぶり待望の最新刊。(新潮社ウェブサイトより)

4位『現代思想入門』千葉雅也[著](講談社)

5位『腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する』黒尾誠[著](幻冬舎)

6位『現代ロシアの軍事戦略』小泉悠[著](筑摩書房)

7位『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン[著]久山葉子[訳](新潮社)

8位『捨てない生きかた』五木寛之[著](マガジンハウス)

9位『今を生きるあなたへ』瀬戸内寂聴[著]瀬尾まなほ[著](SBクリエイティブ)

10位『日本語の大疑問 眠れなくなるほど面白い ことばの世界』国立国語研究所[編](幻冬舎)

〈新書ランキング 3月23日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年3月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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