今なぜ現代思想を学ぶのか? 千葉雅也『現代思想入門』が売れている[新書ベストセラー]

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 3月29日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』が獲得した。
 第2位は『70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い』。第3位は『ヒトの壁』となった。

 4位以下で注目は4位にランクインした『現代思想入門』。気鋭の哲学者・千葉雅也さんが現代思想を平易な言葉で解説した「入門書」の決定版。難解で複雑な現代思想を鮮やかに整理した一冊と評判。千葉さんは同書の冒頭に「今なぜ現代思想を学ぶのか」と寄せ《現代思想を学ぶと、複雑なことを単純化しないで考えられるようになります。単純化できない現実の難しさを、以前より「高い解像度」で捉えられるようになる》と説いている。千葉さんは近年小説も手掛けており、デビュー作の「デッドライン」は2020年1月に発表された第162回芥川賞候補に、続編の「オーバーヒート」は2021年7月の第165回芥川賞の候補にも選ばれている。

1位『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』黒川祐次[著](中央公論新社)

ロシア帝国やソヴィエト連邦のもとで長く忍従を強いられながらも、独自の文化を失わず、有為の人材を輩出し続けたウクライナ。不撓不屈のアイデンティティは、どのように育まれてきたのか。スキタイの興亡、キエフ・ルーシ公国の隆盛、コサックの活躍から、一九九一年の新生ウクライナ誕生まで、この地をめぐる歴史を俯瞰。人口五〇〇〇万を数え、ロシアに次ぎヨーロッパ第二の広い国土を持つ、知られざる「大国」の素顔に迫る。(中央公論新社)ウェブサイトより

2位『70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い』和田秀樹[著](詩想社)

団塊の世代もみな、2020年には70代となった。現在の70代の日本人は、これまでの70代とはまったく違う。格段に若々しく、健康になった70代の10年間は、人生における「最後の活動期」となった。この時期の過ごし方が、その後、その人がいかに老いていくかを決めるようになったのだ。(詩想社ウェブサイトより抜粋)

3位『ヒトの壁』養老孟司[著](新潮社)

病気はコロナだけじゃない。そして、死は誰にでも平等にやってくる。新型コロナウィルス禍と五輪、死の淵をのぞいた自身の心筋梗塞、愛猫まるの死――ヒトという生物であると実感し、2年間の体験からあらためて問い直す。人生そのものが、不要不急ではないか。それでも生きる価値はどこにあるのか。84歳の知性が考え抜いた、究極の人間論!「壁」シリーズ4年ぶり待望の最新刊。(新潮社ウェブサイトより)

4位『現代思想入門』千葉雅也[著](講談社)

5位『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン[著]久山葉子[訳](新潮社)

6位『腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する』黒尾誠[著](幻冬舎)

7位『子どもが心配 人として大事な三つの力』養老孟司[著](PHP研究所)

8位『日本語の大疑問 眠れなくなるほど面白い ことばの世界』国立国語研究所[編](幻冬舎)

9位『現代ロシアの軍事戦略』小泉悠[著](筑摩書房)

10位『今を生きるあなたへ』瀬戸内寂聴[著]瀬尾まなほ[著](SBクリエイティブ)

〈新書ランキング 3月29日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年4月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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