作家・川上未映子さんの小説『ヘヴン』が、世界的に権威のある文学賞の一つである英国のブッカー賞の国際版である「ブッカー国際賞」の最終候補6作品に入った。日本の作家の作品としては、2020年の小川洋子さんの『密やかな結晶』に続いて2作目となる。
『ヘヴン』は、川上さん初の長編小説で、イジメを題材に善悪の根源を問う作品。平成21年度芸術選奨新人賞、第20回紫式部文学賞を受賞している。
川上さんは、1976年大阪府生まれ。2007年に小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で小説家としてデビュー。2008年に『乳と卵』で芥川賞、2009年に詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で中原中也賞、2013年に『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞などを受賞している。2019年に刊行された『夏物語』は毎日出版文化賞を受賞するほか、世界40ヵ国以上で翻訳され、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリアなどでベストセラーとなるなど、海外でも高く評価されている。
ブッカー国際賞は2005年に創設。これまでにアリス・マンローやオルガ・トカルチュクさんなどが受賞。アジア圏では、2016年に韓国のハン・ガンが「菜食主義者」で受賞している。今回の受賞作の発表は5月26日に行われる。
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