「当たり前だと思っている事象に物申す」養老孟司の魅力を成毛眞が解説[新書ベストセラー]

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 4月19日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『80歳の壁』が獲得した。
 第2位は『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』。第3位は『70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い』となった。

 4位以下で注目は8位にランクインした『ヒトの壁』。『バカの壁』(新潮社)からはじまる養老孟司さんの「壁」シリーズの最新刊。シリーズ累計で670万部を突破している。今作は養老さんがコロナ禍で向き合った生と死、ヒトの存在そのものについて考察を深めている。

 書評サイト〈HONZ〉代表の成毛眞さんは養老さんの魅力を《当たり前だと思っている事象に物申す。ミクロとマクロの視点で縦横無尽に社会を見渡す。懐の深さと鋭さ》と解説。本書も養老さんのミクロな個人的経験から一気に大きな人間の存在にまで論考を広げており、《新たな視点を与えられることで、読者は自分の可動域以上の自由な広がりのある景色へと連れて行ってもらえる。養老さんが案内する思考の旅に身を任せる喜びが、そこにはある。》と評している。

1位『80歳の壁』和田秀樹[著](幻冬舎)

人生100年時代だが、健康寿命の平均は男性72歳、女性75歳。80歳を目前に寝たきりや要介護になる人は多い。「80歳の壁」は高く厚いが、壁を超える最強の方法がある。それは、嫌なことを我慢せず、好きなことだけすること。「食べたいものを食べる」「血圧・血糖値は下げなくていい」「ガンは切らない」「おむつを味方にする」「ボケることは怖くない」等々、思わず膝を打つヒントが満載。70代とはまるで違って、一つ一つの選択が命に直結する80歳からの人生。ラクして壁を超えて寿命を伸ばす「正解」を教えます!(幻冬舎ウェブサイトより)

2位『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』黒川祐次[著](中央公論新社)

ロシア帝国やソヴィエト連邦のもとで長く忍従を強いられながらも、独自の文化を失わず、有為の人材を輩出し続けたウクライナ。不撓不屈のアイデンティティは、どのように育まれてきたのか。スキタイの興亡、キエフ・ルーシ公国の隆盛、コサックの活躍から、一九九一年の新生ウクライナ誕生まで、この地をめぐる歴史を俯瞰。人口五〇〇〇万を数え、ロシアに次ぎヨーロッパ第二の広い国土を持つ、知られざる「大国」の素顔に迫る。(中央公論新社)ウェブサイトより

3位『70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い』和田秀樹[著](詩想社)

団塊の世代もみな、2020年には70代となった。現在の70代の日本人は、これまでの70代とはまったく違う。格段に若々しく、健康になった70代の10年間は、人生における「最後の活動期」となった。この時期の過ごし方が、その後、その人がいかに老いていくかを決めるようになったのだ。(詩想社ウェブサイトより抜粋)

4位『捨てない生きかた』五木寛之[著](マガジンハウス)

5位『現代ロシアの軍事戦略』小泉悠[著](筑摩書房)

6位『腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する』黒尾誠[著](幻冬舎)

7位『現代思想入門』千葉雅也[著](講談社)

8位『ヒトの壁』養老孟司[著](新潮社)

9位『子どもが心配 人として大事な三つの力』養老孟司[著](PHP研究所)

10位『ウイルス学者の責任』宮沢孝幸[著](PHP研究所)

〈新書ランキング 4月19日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年4月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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