「さりげない日常の中にある幸せを、そっとすくい取ったような一作」原田マハが描く小さな洋菓子店の物語[文庫ベストセラー]

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 4月19日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文庫第1位は『隠密鑑定秘禄一 退き口』が獲得した。
 第2位は『女のいない男たち』。第3位は『元彼の遺言状』となった。

 4位以下で注目は10位にランクインした『スイート・ホーム』。『楽園のカンヴァス』(新潮社)や『風神雷神』(幻冬舎)などアートを題材にした小説で知られる原田マハさんが2018年に発表した連作短編集の文庫版。物語の舞台はとある高台の街にある小さな洋菓子店「スイート・ホーム」。表題作はパティシエの父と明るい母、妹と四人で暮らす引っ込み思案な28歳の女性が主人公。緑豊かな郊外で誠実に商売を続ける父の元で育った主人公の不器用な恋愛の行方と家族の暖かさを描く。その他二編もパティシエ一家と街の人々のふれあいが描かれる。朝日新聞の西秀治さんは《さりげない日常の中にある幸せを、そっとすくい取ったような一作》(朝日新聞書評2018年4月14日掲載より)と評している。

1位『隠密鑑定秘禄一 退き口』上田秀人[著](徳間書店)

十一代将軍、家斉が下した密命。それは、諸国大名の「人事考課」を作れというものだった。難題を命じられた男の運命は!?(徳間書店ウェブサイトより)

2位『女のいない男たち』村上春樹[著](文藝春秋)

6人の男たちは何を失い、何を残されたのか?本書は村上春樹が「月刊文藝春秋」「MONKEY」などに発表した作品をまとめ、2014年に発表した短編集。累計100万部突破のベストセラー!舞台俳優・家福を苛みつづける亡き妻の記憶。彼女はなぜあの男と関係したのか…(「ドライブ・マイ・カー」)。妻に去られた男は会社を辞めバーを始めたが、ある時を境に店を怪しい気配が包み、謎に追いかけられる(「木野」)。ほか、「イエスタデイ」「独立器官」「シェエラザード」「女のいない男たち」など。封印されていた記憶の数々を解くには、今しかない――見慣れたはずのこの世界に潜む秘密を探る6つの物語。(文藝春秋ウェブサイトより)

3位『元彼の遺言状』新川帆立[著](宝島社)

亡くなった元彼は誰かに殺された!?犯人だけがその財産を譲り受けられるという奇妙な遺言を受け、女性弁護士が依頼人と共謀して分け前を狙う破格の遺産相続ミステリー!(宝島社ウェブサイトより)

4位『継承 鬼役 [三十二]』坂岡真[著](光文社)

5位『流浪の月』凪良ゆう[著](東京創元社)

6位『京都寺町三条のホームズ 18 お嬢様のミッション』望月麻衣[著](双葉社)

7位『三千円の使いかた』原田ひ香[著](中央公論新社)

8位『機捜235』今野敏[著](光文社)

9位『余命10年』小坂流加[著](文芸社)

10位『スイート・ホーム』原田マハ[著](ポプラ社)

〈文庫ランキング 4月19日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年4月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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