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- 旅のない
- 価格:1,650円(税込)
日本で最も権威のある短篇小説賞である川端康成文学賞(第46回)の受賞作が7日に発表された。
受賞作は上田岳弘さんの『旅のない』(講談社)。新型コロナウィルスの感染拡大に翻弄される日常を舞台に描かれた短編集で、デビュー以来、世界の終末後や不老不死を実現した世界、人類史を巡る壮大な恋愛小説など世界観の大きな作品を発表してきた上田さんにとって新境地ともいえる一冊だ。
著者の上田さんは、1979年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、法人向けソリューションメーカーの立ち上げに携わり、経営者の一人として勤務する傍ら、執筆を続け、2013年に「太陽」で新潮新人賞を受賞しデビューする。2015年に「私の恋人」で三島由紀夫賞、2018年に『塔と重力』で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。2019年には「ニムロッド」で芥川龍之介賞を受賞している。著書に『太陽・惑星』『異郷の友人』『キュー』『引力の欠落』などがある。
贈賞式は6月24日、東京・虎ノ門のオークラ東京で行われ、受賞者には記念品と副賞の100万円が贈られる。
川端康成文学賞は、日本人初のノーベル⽂学賞受賞者である川端康成の没後に創設された、日本で最も権威のある短篇小説賞。過去の受賞者には大江健三郎や古井由吉、安岡章太郎、筒井康隆、山田詠美、江國香織、町田康など日本を代表する作家が選ばれてきた。2019年に理事長の体調不良と財政難により一時休止していたが、主催の川端康成記念会と後援の新潮社が協議し、追加支援や運営の改変を経て、2021年3月に再開した。第46回の選考委員は、荒川洋治、角田光代、辻原登、堀江敏幸、村田喜代子の5氏が審査を務めた。
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