『プーチンの戦争』ナザレンコ・アンドリー著
[レビュアー] 産経新聞社
著者は日本に暮らすウクライナ人。ハルキウ市生まれの20代の政治・外交評論家だ。ロシアの侵攻が始まると、義勇兵を志願して大使館に出向くが、「情報戦の戦士となるべきだ」と諭され、執筆したのが本書である。
その筆鋒(ひっぽう)はプーチン大統領のみならず、「早く降伏すべきだ」と主張する日本の「平和主義者」にも向けられ、世界秩序を守るために小異を捨てて大同につくべきだと訴える。その上で、日本の危機管理のあり方に疑問を呈する。
こんな著者に対し、インターネット上で「ウヨライナ」と揶揄(やゆ)する声もあったという。何をかいわんやである。(ワック・1650円)