第35回三島賞・山本賞が決定 『ブロッコリー・レボリューション』『黛家の兄弟』が受賞

文学賞・賞

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 第35回三島由紀夫賞と山本周五郎賞(新潮文芸振興会主催)が16日に発表された。三島賞は岡田利規さんの『ブロッコリー・レボリューション』(「新潮」2022年2月号)が、山本賞(または山周賞)は砂原浩太朗さんの『黛家の兄弟』(講談社)が受賞した。

 三島賞の受賞作「ブロッコリー・レボリューション」は、劇作家・岡田利規さんによる15年ぶりの小説集。語り手の「ぼく」には知り得ない「きみ」のバンコクでの日々を「ぼく」が語るという独自の構成が評価された。

 著者の岡田利規さんは、1973年横浜生まれ。1997年にソロ・ユニット「チェルフィッチュ」を旗揚げし、演出家・劇作家として活動する。2005年に「三月の5日間」で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。2007年には同作を小説化した『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を刊行し、第2回大江健三郎賞を受賞している。著書に『エンジョイ・アワー・フリータイム』『遡行:変形していくための演劇論』『現在地』などがある。

 山本賞を受賞作は『黛家の兄弟』は、架空の神山藩を舞台に若き武士の成長を描いた時代小説。藩の筆頭家老を務める黛家の三兄弟が、理不尽な顛末に翻弄されながらも懸命に生きる姿が描かれている。

 著者の砂原浩太朗さんは、1969年兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務、フリーのライター・編集・校正者を経て、2016年に『いのちがけ 加賀百万石の礎』で第2回決戦!小説大賞を受賞し、作家としてデビュー。著書に2021年に直木賞候補となった『高瀬庄左衛門御留書』がある。

 三島賞・山本賞は昭和63年に創設された文学賞。三島賞は小説、評論、詩歌、戯曲を対象とし、文学の前途を拓く新鋭の作品一篇に、山本賞は主に小説を対象とし、すぐれて物語性を有する新しい文芸作品に与えられる。

 候補作品は以下のとおり。

■第35回三島由紀夫賞候補作(出版社・掲載誌)
『道化むさぼる揚羽の夢の』金子薫(新潮社)
『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』川本直(河出書房新社)
『Schoolgirl』九段理江(文藝春秋)
「ブロッコリー・レボリューション」岡田利規(「新潮」2022年2月号)
『ミシンと金魚』永井みみ(集英社)

■第35回山本周五郎賞候補作(出版社)
『余命一年、男をかう』吉川トリコ(講談社)
『灼熱』葉真中顕(新潮社)
『黛家の兄弟』砂原浩太朗(講談社)
『砂嵐に星屑』一穂ミチ(幻冬舎)
『チェレンコフの眠り』一條次郎(新潮社)

 昨年の三島賞はコロナ禍にサッカー少女が小説家の叔父と徒歩で千葉の我孫子から鹿島アントラーズの本拠地を目指す旅を描いた乗代雄介さんの『旅する練習』(講談社)が、山本賞は、麻薬の密売と臓器売買に関与する人々を描いた佐藤究さんの『テスカトリポカ』(KADOKAWA)が受賞。過去には舞城王太郎さん、田中慎弥さん、村田沙耶香さん、今村夏子さんらが三島賞を受賞、吉本ばななさん、吉田修一さん、森見登美彦さん、小野不由美さんらが山本賞を受賞している。

Book Bang編集部
2022年5月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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