住野よる最新作は「愛されたい」と願い偽りの自分を演じる少女が主人公の青春群像劇[文芸書ベストセラー]

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 8月9日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『オーバーロード16 半森妖精の神人 [下]』が獲得した。
 第2位は『おいしいごはんが食べられますように』。第3位は『夜に星を放つ』となった。

 4位以下で注目は8位にランクインした『腹を割ったら血が出るだけさ』。『君の膵臓をたべたい』(双葉社)でデビューし、『青くて痛くて脆い』(KADOKAWA)『か「」く「」し「」ご「」と「』(新潮社)など若い世代から圧倒的な人気を誇る青春小説の書き手、住野よるさんの最新作。愛されるために偽りの自分を演じ続ける女子高生の前に、小説の登場人物そっくりの人があらわれる。異なる価値観のもとでそれぞれの「物語」を生きる人物が多数登場し、共鳴しあう青春群像劇となっている。住野さんは刊行にあたりコメントを発表。物語には20人以上の人物が登場すると紹介し、《その中の誰かは、今ここを読んでくださっているあなたに似た人かもしれません。》と述べ、《登場人物の誰かが、あなたがあなたを支える小さなきっかけになってくれればと、願っています。》と今作に込めた思いを語っている。

1位『オーバーロード16 半森妖精の神人 [下]』丸山くがね[著](KADOKAWA)

歴戦の猛者たちすら畏怖するナザリックの威光を見よ!ダークエルフの村に滞在し、村民と交流を続けるアインズと双子。しかし法国の侵攻はついにエルフ国を攻め落とされんばかりとなった。一計を案じたアインズは行動を開始。(KADOKAWAウェブサイトより)

2位『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子[著](講談社)

第167回芥川賞受賞!「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。ままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作。(講談社ウェブサイトより)

3位『夜に星を放つ』窪美澄[著](文藝春秋)

かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。コロナ禍のさなか、婚活アプリで出会った恋人との関係、30歳を前に早世した双子の妹の彼氏との交流を通して、人が人と別れることの哀しみを描く「真夜中のアボカド」。学校でいじめを受けている女子中学生と亡くなった母親の幽霊との奇妙な同居生活を描く「真珠星スピカ」、父の再婚相手との微妙な溝を埋められない小学生の寄る辺なさを描く「星の随に」など、人の心の揺らぎが輝きを放つ五編。(文藝春秋ウェブサイトより)

4位『その本は』又吉直樹[著]ヨシタケシンスケ[著](ポプラ社)

5位『よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続』宮部みゆき[著](KADOKAWA)

6位『#真相をお話しします』結城真一郎[著](新潮社)

7位『汝、星のごとく』凪良ゆう[著](講談社)

8位『腹を割ったら血が出るだけさ』住野よる[著](双葉社)

9位『オーバーロード15 半森妖精の神人 [上]』丸山くがね[著](KADOKAWA)

10位『こいごころ』畠中恵[著](新潮社)

〈文芸書ランキング 8月9日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年8月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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