『性と芸術』
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『性と芸術』会田誠著
[レビュアー] 産経新聞社
現代美術家、会田誠が東京芸大大学院生だった23歳のときに描いた作品「犬」。裸体の少女をモチーフにした絵画は、その残虐な表現から、森美術館での個展(平成24年)の際に市民団体の抗議を受けるなど、ソーシャルメディア上も含めて再三物議を醸してきた。本書はそんな問題作を、作者自ら「全解説」するという試みだ。
制作意図や手法を、当時の美術・サブカルチャー動向、自らの心境も含め、詳細に明かしている。現代美術である以上、表層の表現だけでなく、込められた批評性も含めて評価されるべきだろう。その上で現代における性と芸術について考えたい。(幻冬舎・1760円)