歴史時代小説の書き手による史論。主題は平清盛だが、最終章「そして鎌倉幕府へ」では平家政権と比較するかたちで鎌倉幕府の成功要因を論じている。
平成23年に別の版元で刊行された『武士の王・平清盛』の復刊に当たり、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」をきっかけとした研究の深化を受けて加筆修正。最終章を書き下ろした。2代将軍源頼家を支える宿老13人のうち中原親能・大江広元・三善康信・二階堂行政の文官4人に着目し、殺伐とした時代を読み解く。
平家についても清盛の生涯をたどりつつ多角的に論評。読み物として面白い。(朝日文庫・792円)
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2022年9月18日 掲載
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