日本の食は、コメを抜きにしては語れない。本書は、コメの自給達成やコメ余り、国際化、コメ離れなど、日本人とコメの関係を転換点ごとに整理、解説した上で、未解決問題がもたらす危機に警鐘を鳴らす。
ロシアのウクライナ侵攻により、世界的な食料危機の懸念が高まっている。食料品がスーパーの棚にあふれている日本でも、食料自給率38%の低さを考えればいつ危機が訪れるともかぎらない。ただ、コメに関しては今、私たちは困っていない。この状況を続けることができるのか、日本の農業と食料を考えるに当たって読んでおきたい。(中公新書・1056円)
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2022年9月18日 掲載
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